先に結論
M&Aシニアエキスパートは、金融財政事情研究会のM&Aエキスパート認定制度で「プロフェッショナル編」に位置づけられる認定です。費用は一般区分で合計143,000円(養成スクール受講料132,000円+認定試験受験料11,000円・いずれも税込)。誰でも申し込める試験ではなく、事業承継・M&Aエキスパート認定者、弁護士・税理士・公認会計士・司法書士、金融機関で法人営業5年以上の現職者など6つのルートのいずれかに該当する方が、3日間の養成スクールを全日受講したうえで認定試験を受けます。
この記事の結論
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位置づけは「試験だけ型」ではなく講座セット型。養成スクールを3日間すべて受講した修了者だけが認定試験を受けられる。
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受講資格は6つのルートのいずれかに該当することが条件。士業・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・M&A支援機関協会会員役職員は保有資格や所属でそのまま該当し、金融機関・会計事務所のルートは「現在も在籍中」であることまで求められる。
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費用は一般区分で受講料132,000円(テキスト代・消費税込)+受験料11,000円。M&A支援機関協会会員等は92,400円、BATONZパートナープログラム会員は105,600円の区分がある。
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会場開催は東京・大阪で行われ、2026年度後期は第103回(東京・11月11日〜13日、申込は10月23日まで)と第104回(大阪・11月18日〜20日、申込は10月30日まで)が案内されている。WEB版は決済完了日から13週間(91日間)の視聴期間で受講できる。
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認定後の有効期限・更新の扱いは、公式の案内ページに記載を確認できなかった。検討中の中小M&A資格試験が登録・更新まで制度に含める方向で議論されているのとは、この点で設計が異なる。
M&Aエキスパート認定制度のなかでの位置づけ
金融財政事情研究会は、事業承継・M&Aの学習を4つの段階に分けて案内しています。ベーシック編・スタンダード編は受験資格の制限がないCBT試験、アドバンス編とプロフェッショナル編は養成スクールとセットの認定です。M&Aシニアエキスパートは、このうちプロフェッショナル編にあたります。
| 段階 | 名称 | 受講・受験の条件 | 費用(税込) | 試験の形式 |
|---|---|---|---|---|
| ベーシック編 | 事業承継・M&Aベーシック(金融業務3級 事業承継・M&Aコース) | 受験資格は特になし | 5,500円 | CBT・四答択一式50問・100分・100点満点で60点以上 |
| スタンダード編 | 事業承継・M&Aエキスパート(金融業務2級 事業承継・M&Aコース) | 受験資格は特になし・通年実施 | 7,700円 | CBT・四答択一式30問+総合問題10題・120分・100点満点で70点以上 |
| アドバンス編 | 事業承継シニアエキスパート養成スクール・試験 | 認定者・士業・金融機関で法人営業1年以上 等 | 受講料132,000円+受験料11,000円(KINZAI Webアカデミー版の金額) | CBT・四答択一式50問・120分・100点満点で60点以上 |
| プロフェッショナル編 | M&Aシニアエキスパート養成スクール・試験 | 認定者・士業・金融機関で法人営業5年以上 等 | 受講料132,000円+受験料11,000円 | 四答択一式50問・120分 |
比べた条件のまま、いまの理解度を無料で確認できます。
143,000円の講座に申し込む前に、20問の無料診断で現在地と不足分野を確認できます。
費用の内訳(最終確認日:2026-09-15)
| 費目 | 金額(税込) | 条件・備考 |
|---|---|---|
| 養成スクール受講料(一般) | 132,000円 | テキスト代・消費税を含む |
| 養成スクール受講料(M&A支援機関協会会員・日本M&Aセンター提携金融機関・理事会員) | 92,400円 | 該当区分の特別価格 |
| 養成スクール受講料(BATONZパートナープログラム会員) | 105,600円 | 該当区分の特別価格 |
| 認定試験受験料 | 11,000円 | 受講料とは別に必要 |
| 一般区分の合計 | 143,000円 | 受講料132,000円+受験料11,000円 |
受講資格を持っていない場合は、ここに前段の費用が乗ります。金融業務2級 事業承継・M&Aコース(7,700円)に合格して事業承継・M&Aエキスパートの認定を得るルートなら、合計は150,700円が目安です。会員区分に該当すれば、受講料は一般の132,000円より39,600円安い92,400円、BATONZパートナープログラム会員なら26,400円安い105,600円になります。申し込み前に自社の区分を確認してください。費用だけで資格を比べたい場合はM&A資格の費用比較もあわせてご覧ください。
受講資格:6つのルート
公式案内では、次のいずれかに該当することが受講の条件とされています。
- 事業承継・M&Aエキスパート認定者、または事業承継シニアエキスパート認定者(試験合格者)
- 弁護士・税理士・公認会計士・司法書士
- 銀行・信用金庫・信用組合・証券会社・生命保険会社において法人営業経験が5年以上あり、現在も在籍中の方
- 会計事務所等で5年以上の実務経験があり、現在も在籍中の方
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 一般社団法人M&A支援機関協会会員役職員
条件は経験年数だけではありません。金融機関・会計事務所のルートは「現在も在籍中」であることまで含みます。過去に法人営業を5年以上経験していても、転職して現在その業態にいなければ、このルートでは該当しません。事業会社のM&A担当やコンサルティング会社に所属する方も同様で、その場合は金融業務2級に合格して認定者ルートで入る形になります。金融機関に在籍している方の資格選びは銀行員・金融機関のM&A資格で整理しています。
カリキュラムと認定試験
養成スクールは3日間、各日10:00〜18:00の構成です。
- 1日目 M&A実務1:M&A総論、M&A支援機関協会の倫理規程及び自主規制ルールの概要、マネジメントインタビュー、案件化と概要書作成のポイント
- 2日目 M&A実務2:マッチング(買い手探索と買い手との交渉実務等)、M&Aと法務実務、PMI、ケーススタディ・トラブル防止対策
- 3日目 M&A評価・会計・税務:企業評価概論、企業評価演習、M&A会計・税務、組織再編手法・税制
認定試験は養成スクール修了者が対象で、3日間の全受講が必要です。会場開催回の案内には、スクール翌日の土曜10:00〜12:00に四答択一式 計50題で実施する日程と、CBT方式の認定試験の記載がいずれも掲載されています。どちらで受験するかは回ごとに扱いが異なるため、申込時に該当回の案内でご確認ください。WEB版(KINZAI Webアカデミー)はCBT方式で、公式案内には「出題形式は四答択一式50問、試験時間は120分間、合格基準は100点満点で60点以上」と記載されています。会場開催回の案内ページには合格基準の記載が見当たらないため、合格ラインを前提に学習計画を組む場合は該当回の案内で確認してください。
WEB版は録画講義のオンデマンド配信と紙の講義資料(約500ページ)で構成され、利用開始日(決済完了日)から13週間(91日間)が利用可能期間です。3日連続で日程を空けられない方は、WEB版が現実的な選択肢になります。
2026年度後期の開催回(最終確認日:2026-09-15)
| 回 | 開催地 | 養成スクール | 認定試験(会場実施分) | 申込期間 |
|---|---|---|---|---|
| 第103回 | 東京 | 2026年11月11日(水)〜13日(金) | 2026年11月14日(土)10:00〜12:00 | 2026年8月21日(金)〜10月23日(金) |
| 第104回 | 大阪 | 2026年11月18日(水)〜20日(金) | 2026年11月21日(土)10:00〜12:00 | 2026年8月21日(金)〜10月30日(金) |
中小M&A資格試験との関係
中小企業庁が創設を検討している中小M&A支援資格制度(仮称)の中小M&A資格試験とは、運営主体も目的も別の制度です。両者の間に免除や優遇の関係があるという公表資料は確認できませんでした。中小企業庁の検討会資料では、令和8・9年度に民間の資格試験実施団体へ委託して中小M&A資格試験を実施し、令和10年度以降に合格者の登録・管理制度の運用を開始するスケジュール案が示されています。
設計上の最大の違いは、合格後の扱いにあります。中小M&A資格試験は、試験合格者の登録・管理制度を併せて実施する方向で検討が進み、登録講習・更新講習・登録者の氏名公表までが制度の一部として議論されています(いずれも検討中の案)。一方でM&Aシニアエキスパートについては、認定後の有効期限や更新の要件を公式の案内ページで確認できませんでした。
実務上の使い分けは単純です。いま受講要件を満たしていて、M&A実務・企業評価・法務の研修と認定をまとめて得たいならM&Aシニアエキスパート。中小M&A支援を本業として続けるなら、国が検討中の制度の公表状況を追う必要があります。新資格の詳細は試験情報で確認してください。既存資格との役割の違いは事業承継・M&Aエキスパートとの違いで詳しく比較しています。
向いている人・向いていない人
- 向いている人:受講資格をすでに満たし、M&A実務・企業評価・法務を3日間で体系的に押さえたい方
- 向いている人:所属先の会員区分で受講料が92,400円・105,600円になる方(費用対効果が大きく変わります)
- 向いている人:社内で案件を担当する立場にあり、研修と認定を同時に確保したい方
- 向いていない人:まず基礎知識を確認したい段階の方(5,500円の3級・7,700円の2級から入る方が費用の無駄が出ません)
- 向いていない人:受講資格を満たしておらず、当面満たす見込みもない方
- 向いていない人:自社の事業承継を考える経営者本人(支援者を見極める知識の方が実益があります)
注意点・よくある失敗
- 受講料だけで予算を組み、受験料11,000円を別枠で見落とす。
- 「法人営業5年以上」の在籍要件を見落とす(過去の経験だけでは条件を満たしません)。
- 申込期限を見落とす(第103回は10月23日、第104回は10月30日で、いずれもスクール初日の19日前に締まります)。
- 事業承継シニアエキスパートと名称が似ているため、対象領域を確認せずに申し込む。
- 認定後の更新や会費の有無を公式で確認しないまま、長期の費用を見積もる。
比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります
選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。
制度・料金・提供内容は更新されます
本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。
よくある質問
受けられません。公式案内の6つのルートのいずれかに該当することが条件です。該当しない場合は、受験資格の制限がない金融業務2級 事業承継・M&Aコース(7,700円)に合格して事業承継・M&Aエキスパートの認定を得る道が、受講資格を作る入口になります。
受講資格をすでに満たしている一般区分なら、受講料132,000円+受験料11,000円で143,000円です。2級から入る場合は7,700円が加わり150,700円が目安になります。会員区分に該当すれば受講料が92,400円または105,600円になります。
養成スクールの修了と認定試験の合格が要件である点は共通で、違いは受講形式(オンデマンド配信か対面3日間か)と試験方式です。WEB版はCBT方式、会場開催回の案内には会場試験とCBT方式の双方の記載があります。認定の名称や扱いが受講形式によって変わるという記載は確認できなかったため、社内申請などで形式の区別が問題になる場合は運営団体へ直接ご確認ください。
別制度のため置き換わる関係ではありません。ただし中小M&A支援を業務にする方にとっては、登録・更新まで含む新しい制度の比重が上がる可能性があります。両制度の設計の違いは本記事の比較部分を参照してください。
確認日時点で、公式の案内ページに有効期限や更新要件の記載を確認できませんでした。更新制の有無は長期の費用に直結するため、申し込み前に「認定の有効期間」「更新講習・更新料の有無」「会費の有無」の3点を運営団体へ確認しておくと、見積もりのずれを防げます。
一次資料・参考資料
- 公式情報金融財政事情研究会 事業承継・M&A(M&Aエキスパート認定制度の段階)確認日:2026-09-15
- 公式情報金融財政事情研究会 第103回・第104回 M&Aシニアエキスパート養成スクール(認定講座)・認定試験確認日:2026-09-15
- 公式情報金融財政事情研究会 第101回・第102回 M&Aシニアエキスパート養成スクール(認定講座)・認定試験確認日:2026-09-15
- 公式情報金融財政事情研究会 KINZAI Webアカデミー M&Aシニアエキスパート確認日:2026-09-15
- 公式情報金融財政事情研究会 KINZAI Webアカデミー 事業承継シニアエキスパート確認日:2026-09-15
- 公式情報金融業務2級 事業承継・M&Aコース(CBT-Solutions)確認日:2026-09-15
- 公式情報金融業務3級 事業承継・M&Aコース(CBT-Solutions)確認日:2026-09-15
- 一次資料中小企業庁 中小M&A市場の改革に向けた検討会(第5回)資料2(2026年7月21日)確認日:2026-09-15
- 一次資料中小企業庁 中小M&A市場の改革に向けた検討会(第4回)資料2(2026年3月17日・スケジュール案)確認日:2026-09-15
更新・訂正履歴
- 初回公開
記載の数値・制度情報は2026-09-15時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。
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