先に結論
金融業務3級 事業承継・M&Aコースは、受験資格の制限がない通年実施のCBT検定です(5,500円・100分・四答択一式50問・100点満点で60点以上)。合格ラインは2級より10点低く、総合問題がない分だけ求められる仕上がりは浅くなります。事業承継の実務経験がなく用語から入る段階なら3級、事業承継税制や自社株評価を日常的に扱っているなら2級から入る判断になります。
この記事の結論
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受験資格は特になく通年実施。受験料5,500円(税込)・100分・四答択一式50問・100点満点で60点以上で、合否は試験終了後にその場でスコアレポートが手交される。
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問われるのはM&Aだけではない。出題分野は「事業承継の事前準備等」「親族内・従業員承継の実務」「社外承継(M&A)の実務」「コンサルティングの実務」の4つで、M&Aはそのうちの1分野にあたる。
- 03
合格者に付与されるのは「一般社団法人金融財政事情研究会認定 事業承継・M&Aベーシック」。ただし合格しても上位の養成スクールへは進めない。受講資格として案内されているのは2級の認定であり、この非対称は公式の種目別ガイドに明記されている。
- 04
2級との差は合格ライン・出題形式・分野の分け方にある。2級は税制と法制が独立分野になり総合問題10題が加わるため、択一だけで完結する3級とは対策の質が変わる。
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中小企業庁が創設を検討している中小M&A資格試験とは別制度で、免除や優遇の関係を示す公表資料は確認できなかった。
試験の基本仕様(最終確認日:2026-09-16)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施方式 | CBT・通年実施(随時試験) |
| 受験資格 | 「受験資格は特にありません」 |
| 受験料 | 5,500円(税込) |
| 試験時間 | 100分 |
| 出題形式 | 四答択一式50問 |
| 合格基準 | 100点満点で60点以上 |
| 予約可能期間 | 受験日の属する月を含んで4カ月前の月初より受験日の3日前まで |
| 合格発表 | 試験終了後、その場で合否に係るスコアレポートが手交される |
| 再受験の制限 | 受験日の翌日から起算して5日間は2度目の受験ができない(当日欠席の場合は適用外) |
| 私物の持込み | 携帯電話・筆記用具・計算機・参考書・六法等を含め自席への持込みは認められない(試験画面上の電卓は利用可) |
| 法令基準日 | 問題文に特に指示のない限り、7月1日現在施行の法令等に基づく |
| 付与される認定 | 「一般社団法人金融財政事情研究会認定 事業承継・M&Aベーシック」。合格者は試験日の翌日以降、認定証をマイページからPDF形式で出力できる |
比べた条件のまま、いまの理解度を無料で確認できます。
3級の4分野とは切り方が異なりますが、検討中の中小M&A資格試験の側から見た現在地を20問で確認できます(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。
何が問われるか:4つの出題分野
公式の種目別ガイドでは、試験の狙いは「中小企業の『事業承継・M&A』に係るコンサルティングに最低限必要な知識の習得度を検証」、対象者は「金融機関の若手から中堅の渉外・融資担当者、公認会計士・税理士等」とされています。出題分野は次の4つです。
- 事業承継の事前準備等
- 親族内・従業員承継の実務
- 社外承継(M&A)の実務
- コンサルティングの実務
名称に「M&A」が入るため第三者承継の試験だと読まれがちですが、M&Aは4分野のうちの1つで、残りは親族内承継・従業員承継と、その前段の準備やコンサルティングの進め方が占めます。分野別の配点は公表されていないため、M&Aの分野だけを対策した場合に何点取れるかを数値で示すことはできません。言えるのは、出題範囲が親族内・従業員承継とその前段の準備・コンサルティングにまで及ぶ以上、対策範囲をM&Aに限定する設計は公式の出題範囲と一致しない、という点までです。M&A関連資格を横断して眺めたい場合はM&A資格の一覧・全体マップを参照してください。
3級と2級はどこが違うか(最終確認日:2026-09-16)
| 比較軸 | 金融業務3級 事業承継・M&Aコース | 金融業務2級 事業承継・M&Aコース |
|---|---|---|
| 試験の狙い(公式表記) | 「中小企業の『事業承継・M&A』に係るコンサルティングに最低限必要な知識の習得度を検証」 | 「中小企業M&Aの会計・税務・法務等の基礎的な知識の習得度を検証」 |
| 対象者(公式表記) | 金融機関の若手から中堅の渉外・融資担当者、公認会計士・税理士等 | 金融機関の渉外・融資担当者、公認会計士・税理士等 |
| 受験資格 | 特になし | 特になし |
| 受験料(税込) | 5,500円 | 7,700円 |
| 試験時間 | 100分 | 120分 |
| 出題形式 | 四答択一式50問 | 四答択一式30問+総合問題10題 |
| 合格基準 | 100点満点で60点以上 | 100点満点で70点以上 |
| 出題分野 | 4分野(事前準備/親族内・従業員承継/社外承継(M&A)/コンサルティング) | 5分野(事業承継関連税制等/事業承継関連法制等/M&A基礎知識・関連会計/M&A関連法制等/総合問題) |
| 付与される認定 | 一般社団法人金融財政事情研究会認定 事業承継・M&Aベーシック | 一般社団法人金融財政事情研究会認定 事業承継・M&Aエキスパート |
| 上位講座との接続 | 公式ガイドに「受講資格とはなりません」と明記 | 受験者向けの案内に、上級講座の受講資格を得られる旨の記載あり |
| 法令基準日 | 7月1日現在施行の法令等 | 7月1日現在施行の法令等 |
| 認定制度上の段階 | ベーシック編 | スタンダード編 |
差は受験料の2,200円だけではありません。2級は税制と法制がそれぞれ独立した分野になり、択一30問に加えて総合問題10題が出ます。総合問題は複数の論点をまたいで処理する形式のため、用語を覚えた段階では届きにくく、合格ラインも70点と10点高くなります。「3級は易しい」というより、「3級は択一で完結し、2級は事例処理まで求められる」と読むのが実態に近い整理です。
金融財政事情研究会は事業承継・M&Aの学習を4段階(ベーシック編・スタンダード編・アドバンス編・プロフェッショナル編)で案内しており、3級はその最初の段階にあたります。上の2段階は養成スクールの受講とセットの認定で、受講料は3級・2級の受験料とは水準が異なります(M&Aシニアエキスパートの費用と受講資格)。
3級から受けるか、2級から受けるか
| あなたの状況 | 現実的な選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 事業承継・M&Aの実務経験がなく、用語から入る段階 | 3級から | 4分野を択一で一巡でき、受験日の翌日から起算して5日間を空ければ再受験もできる。5,500円で現在地が数字になる |
| 相続・自社株・事業承継税制の実務に日常的に触れている | 2級から | 3級の4分野は既知の領域が多く、2級の税制・法制の独立分野が本来の学習対象になる |
| 上位の養成スクールの受講資格を作りたい | 2級から | 3級の合格は受講資格とはならないと公式ガイドに明記。受講資格を得られる旨が案内されているのは2級 |
| 社内の評価・異動要件で「認定」の名称が必要 | 要件を先に確認 | 求められている名称がベーシックかエキスパートかで受ける級が変わる |
| 検討中の中小M&A資格試験に備えたい | 公表を待つ | 新資格の出題範囲は現状案どまりで、どちらの級がより重なるかを示す公表資料はない(事業承継・M&Aエキスパートとの違い) |
| 費用を最小にして学習習慣だけ作りたい | 3級から | 受験料と問題集を合わせても1万円を下回る水準で始められる |
3級と2級のどちらも受験資格の制限がないため、順番に受ける義務はありません。「3級を飛ばして2級」は制度上まったく問題がなく、判断材料は現在の知識量と、社内で必要とされる認定の名称の2つだけです。
教材と学習の進め方
公式に案内されている教材は次のとおりです。金額は確認日時点の公式ページの表記です。
- 対応問題集:「2026年度版 金融業務3級 事業承継・M&Aコース試験問題集」。公式の対応問題集ページでは定価2,200円、割引価格1,980円と案内されています(適用条件は同ページでご確認ください)
- 通信講座:「Q&Aで初歩から学ぶ 事業承継の相談を受けたときに役立つ講座」(ベーシック編に対応する講座として案内)
- 上位段階の対応講座:スタンダード編は「営業店で実践!事業承継を学び 出口戦略としてM&Aも理解できる講座」と問題集
- 無料の一次資料:中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」。社外承継(M&A)の実務とコンサルティングの実務の土台になります
- 法令基準日の確認:問題文は7月1日現在施行の法令等に基づくため、年度版の教材を使うこと自体が対策の一部になります
進め方としては、問題集を1周して4分野の得点差を出し、手当てが必要な分野だけをガイドラインや通信講座で埋めると、対策範囲を絞り込めます。独学で進められるかどうかは、この試験の3つの条件で決まります。出題が四答択一式のみで記述や総合問題を含まないこと、私物の持込みが認められず画面上の電卓だけで処理する前提であること、法令基準日が7月1日現在施行の法令等に置かれること。年度版の問題集を1冊決め、計算は画面上の電卓だけで完結する手順に慣れておけば、独学の設計はこの3条件に沿います。教材選びの一般論はM&A資格のテキストの選び方にまとめています。
中小M&A資格試験との関係
中小企業庁が創設を目指している中小M&A支援資格制度(仮称)とは、制度を設計する主体も目的も別です(新資格の実施団体は未公表)。2026年7月21日の検討会(第5回)資料2では、参考として引用された政府方針「労働供給制約社会における中堅・中小企業の『稼ぐ力』強化戦略」(2026年6月)に、同制度を「早急に創設することを目指す」と記載されています。資料本体では、試験合格後に登録講習・更新講習・「登録者検索システム」(仮称)での公表まで含む登録・管理制度を併せて運用する方向が、いずれも検討中の案として示されています。既存の民間検定に免除や優遇を与えるという記載は、確認できた公表資料の範囲では見当たりませんでした。
したがって「3級を取れば新資格が楽になる」という言い方はできません。言えるのは、社外承継(M&A)の実務とコンサルティングの実務という学習領域が重なるため、公表を待つ間の基礎固めとして無駄にはならない、という範囲までです。新資格そのものの最新状況は本体サイトの試験情報で確認できます(当メディア運営者が提供するサービスです)。合格後の登録・更新の設計は中小M&A資格の登録制度と更新で整理しています。
向いている人・向いていない人
- 向いている人:公式が対象者として挙げる金融機関の渉外・融資担当者、公認会計士・税理士等で、顧客の事業承継相談に共通言語で応じたい方
- 向いている人:M&Aの学習を始めたばかりで、まず4分野を一巡して弱い領域を特定したい方
- 向いている人:費用を抑えて「受験日を決める」ことで学習を動かしたい方(通年実施で3日前まで予約できます)
- 向いていない人:すでに事業承継税制や自社株評価を実務で扱っている方(2級から入る方が費用と時間の無駄が出ません)
- 向いていない人:上位の養成スクールの受講資格をすぐに作りたい方(3級の合格は受講資格とはならないと公式ガイドに明記されています)
- 向いていない人:M&Aの企業評価・法務の実務力そのものを証明したい方(検定ではなく実務家認定型の資格が対象になります)
注意点・よくある失敗
- 名称の「M&A」だけを見て第三者承継の試験だと思い込み、親族内・従業員承継の対策を落とす。
- 公式ページに合格率の記載がないにもかかわらず、出所の書かれていない数値を難易度の根拠にする。
- 古い年度版の問題集で学習する(法令基準日が7月1日現在施行の法令等のため、改正部分がずれます)。
- 電卓や参考書を持ち込める前提で計算問題の対策を省く(自席への私物の持込みは認められていません)。
- 不合格だった翌日に2度目の受験日を入れようとする(受験日の翌日から起算して5日間は2度目の受験ができません。当日欠席の場合は適用されません)。
- 中小M&A資格試験との間に免除や優遇があると社内資料に書く(そうした公表資料は確認できていません)。
比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります
選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。
制度・料金・提供内容は更新されます
本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。
よくある質問
ありません。公式の種目別ガイドにも「受験資格は特にありません」と記載されています。対象者として金融機関の若手から中堅の渉外・融資担当者、公認会計士・税理士等が挙げられていますが、これは想定される受験者像であって条件ではありません。
確認した公式ページに合格率の記載がないため、数値で示すことはできません。判断材料になるのは、合格基準が100点満点で60点以上であること、出題が四答択一式50問のみで記述や総合問題を含まないこと、出題分野が事業承継全体にわたる4分野であることの3点です。2級は合格ラインが70点で総合問題10題が加わるため、必要な仕上がりの水準は上がります。
制度上は問題ありません。2級も受験資格の制限がなく通年で受けられます。事業承継税制や自社株評価に実務で触れている方は、3級の出題分野の多くが既知になるため、2級が本来の学習対象になります。
「一般社団法人金融財政事情研究会認定 事業承継・M&Aベーシック」の認定証を、試験日の翌日以降にマイページからPDF形式で出力できます。2級の合格者に付与されるのは「一般社団法人金融財政事情研究会認定 事業承継・M&Aエキスパート」で、冠称は共通、末尾がベーシックとエキスパートで異なります。なお3級の合格は、M&Aシニアエキスパート養成スクール・事業承継シニアエキスパート養成スクールの「受講資格とはなりません」と公式ガイドに明記されています。社内申請で名称が指定されている場合は、どちらが求められているかを先に確認してください。
免除や優遇の関係を示す公表資料は確認できていません。3級の「社外承継(M&A)の実務」「コンサルティングの実務」は、新資格でも土台になる中小M&Aガイドライン(第3版)と扱う範囲が重なります。詳細が公表されていない段階で、対策の全体像を確定させる必要はありません。
公式の対応問題集と通信講座が用意されており、択一式のみの出題であるため、独学で進める設計は可能です。一方で法令基準日が毎年7月1日現在施行の法令等に置かれるため、年度版の教材を使うことが前提になります。独学の進め方はM&A資格は独学で取れるかで資格別に整理しています。
一次資料・参考資料
- 公式情報金融財政事情研究会 種目別ガイド 金融業務3級 事業承継・M&Aコース確認日:2026-09-16
- 公式情報金融財政事情研究会 種目別ガイド 金融業務2級 事業承継・M&Aコース確認日:2026-09-16
- 公式情報金融業務3級 事業承継・M&Aコース(CBT-Solutions 受験者ポータル)確認日:2026-09-16
- 公式情報金融業務2級 事業承継・M&Aコース(CBT-Solutions 受験者ポータル)確認日:2026-09-16
- 公式情報金融財政事情研究会 事業承継・M&A(認定制度の4段階と対応講座)確認日:2026-09-16
- 公式情報金融財政事情研究会 金融業務能力検定 対応問題集・参考書確認日:2026-09-16
- 一次資料中小企業庁 中小M&A市場の改革に向けた検討会(第5回)資料2(2026年7月21日)確認日:2026-09-16
- 一次資料中小企業庁 中小M&Aガイドライン(第3版)確認日:2026-09-16
更新・訂正履歴
- 初回公開
記載の数値・制度情報は2026-09-16時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。
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3級の4分野とは切り方が異なりますが、検討中の中小M&A資格試験の側から見た現在地を20問で確認できます(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。