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事業承継士の費用と受講資格を公式情報で確認する

結論を先に示し、根拠・比較・関連する疑問・一次資料の順に確認できます。

Answer first結論

先に結論

事業承継士の取得費用は、受講料330,000円・受験料9,900円・協会の入会金11,000円(いずれも税込)の合計350,900円です。教室コースは開始日の2か月前までに申込と支払いを終えると11,000円の早期割引が適用され、339,900円になります。取得後も年会費11,000円が毎年、更新料5,500円が3年ごとにかかります。受講対象は中小企業診断士・税理士・弁護士などの国家資格保有者が原則です。

Key takeaways

この記事の結論

  1. 01

    費用の中心は試験ではなく講座。受験料9,900円(税込)に対して資格取得講座は330,000円(税込)で、取得時の合計は受講料・受験料・入会金を足した350,900円(税込)になる。教室コースには開始日の2か月前を期限とする11,000円(消費税込)の早期割引がある一方、完全ビデオコースには早割がないと明記されている。

  2. 02

    講座を受けずに試験だけ受ける道はない。認定試験の受験資格は、資格取得講座で75%以上の出席をした人と定められている。申込書も講座内で配布される形式で、講座に入らなければ受験の入口に立てない。

  3. 03

    誰でも受けられる資格ではない。協会の資格取得講座ページは受講対象を、中小企業診断士・税理士・公認会計士・弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・土地家屋調査士・一級建築士・不動産鑑定士・ファイナンシャル・プランニング技能士などの国家資格などの専門スキル保有者が原則と記載している。士業でない人が最初に検討する資格ではない。

  4. 04

    合格しただけでは名乗れない。60点以上という基準は入会資格として示されており、その後に倫理規定・懲罰基準・資格要件に照らした入会審査がある。維持面でも年会費11,000円(税込)が毎年、3年ごとに更新料5,500円(税込)が必要で、5年保有すると維持費は60,500円(税込)になる。

  5. 05

    中心は親族内承継の実務。科目名にM&Aを掲げた枠は30時間のうち1時間で、6時間のケーススタディが「親族内承継のポイントと注意点(製造業A)、親族外承継のポイントと注意点 (サービス業D)」の双方を扱う構成。第三者承継(M&A)側を厚くするなら、別系統の資格と組み合わせる前提になる。

01

資格の全体像(最終確認日:2026-09-19)

項目公式ページの記載
認定団体一般社団法人事業承継協会
講座の運営事業承継センター株式会社(協会が業務委託)
講座の開講年事業承継士資格取得講座は2015年より開講
受講の対象者国家資格などの専門スキル保有者が原則
講座の時間数全30時間(全5日間)
受験資格「事業承継士資格取得講座で75%以上の出席をされた方」
出題形式「選択/記述の混合方式」
試験範囲「事業承継士資格取得講座で使用したテキスト、およびその項目に関連する内容」
試験日「講座内でお知らせします。」
合格発表「郵送により通知」
入会資格「事業承継士認定試験で60点以上の得点をされた方」
入会審査「倫理規定、懲罰基準、資格要件等に照らし合わせて審査」
受講料330,000円(税込)
受験料9,900円(税込)
入会金11,000円(税込)/協会サイトの表記では1万円(税別)
年会費11,000円(税込)/協会サイトの表記では1万円(税別)
更新料3年ごとに5,500円(税込)

事業承継士は、試験単体で完結しません。金融業務3級・2級のように受験だけで認定される検定とは違い、講座への出席が受験資格そのものに組み込まれています。協会は事業承継士資格取得講座を2015年から、事業承継プランナー資格取得講座を2019年から事業承継センター株式会社へ業務委託して開講しており、認定する団体と講座を運営する会社が分かれていることを協会サイトで明示しています。

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02

受講の対象者:士業であることが前提になる

協会の資格取得講座ページに挙げられている受講対象は次のとおりです。

  • 中小企業診断士
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 弁護士
  • 司法書士
  • 社会保険労務士
  • 行政書士
  • 土地家屋調査士
  • 一級建築士
  • 不動産鑑定士
  • ファイナンシャル・プランニング技能士

委託先の講座ページ側では、この一覧に宅地建物取引士が加わり、「一般社団法人事業承継協会の認めた国家資格保有又は、それと同等の知識と能力があると判断される方」という条件が添えられています。「それと同等」を判断するのは協会側です。一覧にない資格で検討する場合は、申込前に確認が要ります。

この条件は、資格の性格をそのまま表しています。事業承継士は、専門分野を持つ人が承継案件全体を見渡せるようになるための上乗せの資格であり、承継実務の入口を学ぶための資格ではありません。国家資格を持たない立場では、そもそも受講対象から外れます。承継分野の知識をこれから身につけるなら、受験資格の制限がない検定が現実的な入口になります(事業承継の資格はどれを選ぶか)。

03

費用の内訳:取得時と維持費に分けて見る

区分項目金額(税込)備考
取得時資格取得講座330,000円教材費33,000円などを含むと記載
取得時資格試験 受験料9,900円講座料とは別に案内
取得時協会 入会金11,000円入会時のみ。協会サイトの表記は1万円(税別)
取得時合計350,900円早期割引が適用される場合は339,900円
維持年会費11,000円毎年納付。協会サイトの表記は1万円(税別)
維持更新料5,500円3年ごと

早期割引について、講座ページには各講座開始日の2か月前の同日までに申込と支払いを完了した人に11,000円(消費税込)の早期割引が適用されると記載があります。実際、2026年の教室コースには早割期限が個別に示されていて、大阪コースは2026年5月10日、8月東京教室コースは2026年6月8日、11月東京教室コースは2026年9月14日です。一方、完全ビデオコースの欄には「申込み期限なし ※早割はありません」とあり、割引の対象外です。2か月前という条件は、開催案内を見てから検討を始めたのでは間に合わない速さです。

維持側も見ておきます。年会費が毎年11,000円(税込)、さらに3年ごとに更新料5,500円(税込)が発生します。5年保有した場合は年会費5年分55,000円に3年目の更新料5,500円を足して60,500円(税込)です。取得して終わりではなく、会員でい続ける費用を前提に見積もる必要があります。

受講料に含まれるものも確認しておきます。講座ページには、受講料には教材費33,000円(税込)のほか、「事業承継ノート」2,200円(税込)、「後継者ノート」1,980円(税込)、「仕事の手仕舞いノート」1,650円(税込)、「事業承継はじめの第一歩」1,320円(税込)、「事業承継と保険のはなし」880円(税込)、「これだけは知っておきたい!役員退職金の準備」660円(税込)相当が含まれると記載があります。教材を別途買い足す前提ではありません。

04

講座30時間の中身(最終確認日:2026-09-19)

時間数科目
1.5時間事業承継士とは何か?
2時間事業承継概論
3.5時間ヒアリング・状況分析・課題発見・解決策の提示
2時間株式と経営権/財産権
2時間社長個人としての相続&争族防止
2時間後継者にまつわるあれこれ
1時間会社を強くする技術伝承
1時間後継者のための労務管理
1時間保険/O.Lを駆使した事業承継
6時間実践に基づくケーススタディ①~③
2時間中小企業経営承継円滑化法の解説
1時間事業用資産としての土地/建物対策
1時間信託の最新事情
1時間事業承継計画書の作り方と使い方
1時間M&Aの判断基準を覚え、前裁きを学ぶ
1時間借入と連帯保証人の考え方、事業承継関連の補助金
1時間事業承継士というブランドを作る!

最大の配分は実践ケーススタディの6時間です。知識の網羅より、案件をどう捌くかに時間を割く設計になっています。カリキュラム表の内容欄は「親族内承継のポイントと注意点(製造業A)、親族外承継のポイントと注意点 (サービス業D)」で、親族内と親族外の両方を事例で扱います。

次に大きいのがヒアリングと課題発見の3.5時間です。承継の相談は「何が問題か」が言語化されていない状態で持ち込まれることが多く、そこを整理する技術に時間を割いています。

一方、科目名にM&Aを掲げた枠は1時間です。第三者承継の判断基準と前さばきに触れる位置づけで、ケーススタディで親族外承継を扱う分を加えても、M&A専門の講座とは比重が違います。M&A実務の比重を上げたい場合、この講座だけでは分量が足りません(M&A資格の体系マップ)。

05

開催コースと申込期限(2026年9月19日確認)

コース表示日程講座申込み期限早割期限
完全ビデオコース常時開催中全5日間(受講期間4週間)申込み期限なし早割なし
大阪コース(2026年)満員御礼7月10(金)・11(土)・12(日)・19(日)・20(月・祝)2026年7月2日まで2026年5月10日まで
8月東京教室コース(2026年)受付終了8月8(土)・9(日)・11(火・祝)・15(土)・16(日)2026年7月31日まで2026年6月8日まで
11月東京教室コース(2026年)空席あり11月14(土)・15(日)・21(土)・22(日)・23(月・祝)2026年11月6日まで2026年9月14日まで

確認時点で申し込めるのは、常時開催の完全ビデオコースと、「空席あり」と表示されている11月東京教室コースの2つです。11月コースの申込期限は2026年11月6日、早割期限の9月14日はすでに過ぎています。

教室コースは午前9時30分から午後4時30分までの全5日間で、日程は土日祝が中心ですが、大阪コースのように平日の金曜を含む回もあります。受験資格が「75%以上の出席」である以上、欠席できる余地は限られます。5日分の休みをまとめて確保できるかが、受講の実際の制約になります。

試験日は「講座内でお知らせします。」と案内され、受験申込書も講座内で配布されます。先に試験日を決めて逆算するタイプの検定ではないため、受験時期を確定させたい場合は申込時に問い合わせておくのが安全です。なお、完全ビデオコースで「出席」がどう判定されるかは公開情報からは確認できませんでした。映像で受講して受験を目指す場合は、この点を事前に確認してください。

06

事業承継プランナーとの違い

同じ協会の資格に事業承継プランナーがあります。費用も時間も大きく違います。

項目事業承継士事業承継プランナー
講座の開講年2015年2019年
時間数全30時間(全5日間)認定試験を含めて1日6時間
受講料330,000円(税込)60,500円(税込)
受験料9,900円(税込)※別受講料に含まれる
入会資格認定試験で60点以上の得点認定試験で基準点以上の得点
入会金11,000円(税込)5,500円(税込)
年会費11,000円(税込)5,500円(税込)
更新料3年ごとに5,500円(税込)3年ごとに2,750円(税込)
受講の対象国家資格などの専門スキル保有者が原則幅広いバックグラウンドを持つ方々が受講

協会の資格取得講座ページは、事業承継プランナーについて「金融機関の職員、経営者や後継者、経営幹部、行政の窓口の担当者、商工会議所や商工会の専門相談員、保険会社の営業職員、士業法人に在籍する担当者など、幅広いバックグラウンドを持つ方々が受講しています。」と記載しています。国家資格保有者を原則とする事業承継士と、対象の広さがはっきり違います。

役割の分かれ目は、承継案件を自分で最後まで担当するかどうかです。顧問先から相談を受けたときに「これは何の問題で、誰に渡すべきか」を見極めるところまでなら、6時間・60,500円(税込)の設計で足ります。提案から計画書作成まで自分で組み立てるなら30時間側です。ただし確認時点でプランナー講座は開催予定が掲載されていないため、いま選べる選択肢は事業承継士側に寄ります。

07

承継・M&A系の検定と費用を比べる(最終確認日:2026-09-19)

講座型と検定型では費用の桁が違います。同じ「事業承継の資格」でも設計が別物である点を、金額で押さえておきます。

資格・検定運営受験料(税込)試験時間・形式合格・認定の基準受験の条件
事業承継士事業承継協会(講座は事業承継センター)9,900円(別途 受講料330,000円)選択/記述の混合方式認定試験で60点以上が入会資格。合格基準そのものの記載はなし講座で75%以上の出席
事業承継プランナー事業承継協会(講座は事業承継センター)受講料60,500円に含む認定試験を含め1日6時間認定試験で基準点以上が入会資格。点数は非公開講座の受講
金融業務3級 事業承継・M&Aコース金融財政事情研究会5,500円100分・四答択一式50問100点満点で60点以上「受験資格は特にありません」
金融業務2級 事業承継・M&Aコース金融財政事情研究会7,700円120分・四答択一式30問、総合問題10題100点満点で70点以上「受験資格は特にありません」

金融業務3級は合格者に「事業承継・M&Aベーシック」、2級は「事業承継・M&Aエキスパート」の称号が認定されます。いずれも受験資格の制限がなく、費用は1万円未満です。承継分野の知識をまず持っておきたいだけなら、この価格帯から入れます(金融業務3級 事業承継・M&Aコースの難易度)。

事業承継士は、講座で30時間かけて事例を扱い、協会の会員になるところまでが一体です。協会サイトには「業務委託先である事業承継センター株式会社における事業承継支援の仕事が発生した際には、優先的にお声掛けさせて頂くことがあります。」「業務委託先である事業承継センター株式会社が主催する『後継者塾』の講師・講師補助、各種セミナーの講師として優先的にお声掛けさせて頂くことがあります。」という記載があり、資格が知識の証明だけでなく、案件や登壇の機会を含めて設計されています。費用差をどう評価するかは、知識を買うのか、実務の場を含めて買うのかで変わります。

なお、講座ページと協会サイトのいずれにも、合格率や受験者数の記載は確認できませんでした。難易度を数字で推し量る材料は公開されていません。判断材料は、試験範囲が講座テキストとその関連項目に限定されている点と、入会資格が60点以上である点にとどまります。

08

向いている人・向いていない人

向いている人

  • 中小企業診断士・税理士・社会保険労務士など、顧問先を持っていて承継相談が実際に来る立場の人
  • 相続・株式・労務・信託まで含めて、承継案件を一人で設計できるようになりたい人
  • 全5日間の日程を確保できるか、受講期間4週間で映像を消化しきれる人
  • 年会費と更新料を負担し続けても、会員であることに意味があると判断できる人
  • 開始2か月前に申込と支払いを済ませて、早期割引を取りにいける人

向いていない人

  • 国家資格を持っておらず、受講の対象者に該当しない人
  • 第三者承継(M&A)の実務を中心に学びたい人(科目名にM&Aを掲げた枠は30時間中1時間)
  • 費用を抑えて最短で知識を証明したい人
  • 取得後の維持費を継続的に負担する前提を置けない人
  • 講座日程の確保が難しい人(受験資格は講座で75%以上の出席)
09

注意点・よくある失敗

  • 受験料だけを見て安いと判断する。費用の中心は330,000円(税込)の講座で、受験料9,900円(税込)は全体の一部にすぎません。
  • 講座を受けずに受験できると考える。受験資格は講座で75%以上の出席をした人と定められており、受験申込書も講座内で配布されます。
  • 合格すれば名乗れると考える。60点以上は入会資格として示されており、その後に倫理規定・懲罰基準・資格要件に照らした入会審査があります。
  • 維持費を初年度だけで見積もる。年会費に加えて3年ごとの更新料があるため、保有年数で総額が変わります。
  • 早期割引の条件を後から知る。教室コースの早割期限は講座開始日の2か月前で、完全ビデオコースには早割がありません。
  • M&Aの資格だと思って申し込む。中心は親族内承継を含む承継実務で、科目名にM&Aを掲げた枠は1時間です。
  • 税込と税別の表記を混ぜて合算する。協会サイトは税別、講座ページは税込で同じ金額を示しています。どちらかに揃えて計算してください。
  • 受講の対象者の「それと同等」を自己判断する。該当を判断するのは協会側です。一覧にない資格で申し込む場合は、事前に確認してください。
10

中小M&A資格試験との関係

中小M&A支援資格制度(仮称)とは、制度の設計主体も対象領域も別です。事業承継士は民間の資格で、親族内承継を含む承継全般を扱います。新しい制度は第三者承継=M&Aの支援者を対象とする公的な枠組みとして検討されていますが、正式名称・試験日・受験料・実施団体はいずれも未公表です。既存の民間資格に対する免除や優遇の記載も確認できていません。

両者は競合しません。顧問先の承継相談を親族内承継から第三者承継まで受け切るなら、承継側の設計とM&A側の設計を別々に用意することになります。承継系とM&A系の組み合わせ方は事業承継の資格はどれを選ぶか、新制度と既存資格の位置関係は事業承継・M&Aエキスパートと中小M&A資格試験の違いで整理しています。

この記事の読み方

比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります

選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。

注意点

制度・料金・提供内容は更新されます

本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。

Long-tail questions

よくある質問

できません。協会の資格取得講座ページは、受講対象を中小企業診断士・税理士・公認会計士・弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・土地家屋調査士・一級建築士・不動産鑑定士・ファイナンシャル・プランニング技能士などの国家資格などの専門スキル保有者が原則と記載しています。委託先の講座ページでは宅地建物取引士が加わり、「一般社団法人事業承継協会の認めた国家資格保有又は、それと同等の知識と能力があると判断される方」という条件が示されています。

Updates

更新・訂正履歴

  1. 初回公開

    記載の数値・制度情報は2026-09-19時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。

開示

比較と利害関係について

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