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金融業務2級 資産承継コースの難易度と範囲

結論を先に示し、根拠・比較・関連する疑問・一次資料の順に確認できます。

Answer first結論

先に結論

金融業務2級 資産承継コースは、受験資格のない通年実施のCBT検定です(受験手数料7,700円・120分・四答択一式30問と総合問題10題・100点満点で70点以上)。合格率は公表されておらず、難易度は70点という合格基準と、下位段階の3級が無いことから判断することになります。出題範囲は相続と贈与と財産評価で構成され、社外承継つまりM&Aの分野は入っていません。

Key takeaways

この記事の結論

  1. 01

    出題範囲5分野は相続と法律・相続と税金・贈与と税金・相続財産の評価・相続開始後の手続。M&Aや第三者承継を扱う分野は一つも置かれていない。

  2. 02

    認定名称は資産承継アドバイザー。名称に承継が入るため事業承継の検定と混同されやすいが、狙いと出題範囲を読む限り、問われるのは相続の前後で動く財産まわりの知識に寄っている。

  3. 03

    きんざいの事業承継シニアエキスパート養成スクールの受講資格5項に、この検定の合格や認定名称の記載は確認できない。第1項に置かれているのは事業承継・M&Aエキスパートの認定である。

  4. 04

    受験手数料7,700円は2級 事業承継・M&Aコースと同額。試験時間・出題形式・合格基準・法令基準日も同じで、分かれるのは出題範囲・認定名称・想定される対象者と、上位講座の受講資格に乗るかどうかの4点になる。

  5. 05

    資産承継は2級にしか設定されていない。段階を踏んで上がる設計ではないため、相続税と財産評価の下地がない状態から入ると学習量が読みにくくなる。

01

試験の基本情報(最終確認日:2026-09-25)

項目内容
正式名称金融業務2級 資産承継コース
主催一般社団法人金融財政事情研究会
認定名称一般社団法人金融財政事情研究会認定 資産承継アドバイザー
受験資格特にありません
試験方式CBT方式・通年実施。受験者が予約した日時・テストセンターで受験
試験時間120分
出題形式四答択一式30問、総合問題10題
合格基準100点満点で70点以上
受験手数料7,700円
法令基準日問題文に特に指示のない限り、7月1日現在施行の法令等(受験者ポータルの表示は2026年7月1日現在施行の法令等)

申込は受験日の属する月を含んで4か月前の月初から、受験日の3日前まで受け付けると案内されています。コンビニ決済またはPay-easy決済を選ぶ場合は、受験手数料とは別に事務手数料297円(税込)がかかります。結果は試験終了後にその場でスコアレポートが手交され、合格者は試験日翌日以降に認定証をPDFで出力できると案内されています。

計算問題では試験画面上の電卓を利用できますが、計算機を含む私物の持込みは認められていません。メモ用紙と筆記用具はテストセンターで貸し出されます。相続税額や財産評価の計算を手元の電卓で解く練習をしている場合、本番では操作の前提が変わります。

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02

名前は近いが、事業承継・M&Aコースとは別の試験

同じ金融業務2級でも、資産承継コースと事業承継・M&Aコースは別の試験です。受験手数料・試験時間・出題形式・合格基準・法令基準日はすべて同じで、違いは出題範囲と認定名称、そして合格後に開く道にあります。

項目金融業務2級 資産承継コース金融業務2級 事業承継・M&Aコース
受験手数料7,700円7,700円
試験時間120分120分
出題形式四答択一式30問、総合問題10題四答択一式30問、総合問題10題
合格基準100点満点で70点以上100点満点で70点以上
法令基準日7月1日現在施行の法令等7月1日現在施行の法令等
出題範囲知識5分野+総合問題(相続と法律/相続と税金/贈与と税金/相続財産の評価/相続開始後の手続/総合問題)知識4分野+総合問題(事業承継関連税制等/事業承継関連法制等/M&A基礎知識・関連会計/M&A関連法制等/総合問題)
認定名称資産承継アドバイザー事業承継・M&Aエキスパート
想定される対象者金融機関の渉外担当者・窓口担当者、生命保険会社・証券会社等の営業担当者金融機関の渉外・融資担当者、公認会計士・税理士等
同系統の3級設けられていない金融業務3級 事業承継・M&Aコース(5,500円)
上位講座への接続事業承継シニアエキスパートの受講資格には記載なし事業承継シニアエキスパートの受講資格の第1項

選ぶ前に見るべきは、出題範囲と上位講座への接続の2行です。M&A関連法制やM&A基礎知識・関連会計を問われるのは事業承継・M&Aコースだけで、資産承継コースの5分野にその名前は出てきません。2級 事業承継・M&Aコースの中身は金融業務2級 事業承継・M&Aコースの記事、入口にあたる3級は金融業務3級 事業承継・M&Aコースの記事で扱っています。

03

出題範囲が示しているもの

公式の種目別ガイドに掲載されている出題範囲は、次の5分野と総合問題です。

  • 相続と法律
  • 相続と税金
  • 贈与と税金
  • 相続財産の評価
  • 相続開始後の手続
  • 総合問題

試験の狙いとして掲げられているのは「遺産分割対策・納税資金準備・相続税額の軽減に関する考え方について説明ができる」「相続の手続きについてアドバイスができる」知識と実践力の検証です。分野名も狙いの文言も、扱う場面は相続の前後に置かれています。

ここを事業承継の全体像と並べると、位置づけがはっきりします。金融業務3級 事業承継・M&Aコースの出題範囲は「1.事業承継の事前準備等 2.親族内・従業員承継の実務 3.社外承継(M&A)の実務 4.コンサルティングの実務」と区切られており、親族内・従業員への承継と社外への承継が別の分野として立てられています。資産承継コースが深く掘っているのは、このうち親族内承継を支える相続・贈与・財産評価の部分です。社外承継の側は範囲に含まれていません。

つまり「事業承継に強くなりたい」という目的でこの検定を選ぶと、株式や財産をどう渡すかの知識は積み上がりますが、譲渡先を探す・企業価値を見る・契約に落とすといった引継ぎ側の知識は別に手当てすることになります。事業承継系の検定を横に並べた整理は事業承継系資格の比較にまとめています。

04

難易度をどう見るか

確認した公式ページに合格率の記載はありません。数値で難易度を語ることはできないため、判断材料は次の4点になります。

  1. 合格基準が100点満点で70点以上。同じきんざいの金融業務3級 事業承継・M&Aコースは四答択一式のみで合格基準60点のため、そこより10点高い設定です。
  2. 総合問題10題が出題される。相続税額の計算や財産評価は複数の論点をまたぐため、分野別の知識が一巡した後でないと手がつきません。
  3. 資産承継は2級にしか設定されていない。用語から入る段階の受験者を受け止める下位段階がないため、税務の下地がないところからの独学は設計が難しくなります。近い分野の3級としては金融業務3級 シニアライフ・相続コースがCBT種目一覧に掲載されています。
  4. 法令基準日が7月1日現在施行の法令等に置かれている。相続税・贈与税は改正の影響を受けやすいため、年度版の教材を使うこと自体が対策の一部になります。

再受験時の受験手数料が割り引かれるという記載は、公式ガイドにも受験者ポータルにも見当たりません。落ちた場合は同額をもう一度払う前提で予算を組むことになります。資産承継アドバイザーの認定に有効期限・更新・年会費があるかどうかも、これらのページからは読み取れませんでした。資格ごとの費用の考え方はM&A資格の費用で整理しています。

05

上位の認定につながるか

事業承継シニアエキスパート養成スクールの受講資格に、資産承継アドバイザーの記載はありません。ここは受験前に確認しておく価値があります。

きんざいの事業承継シニアエキスパート養成スクール(認定講座)の受講資格には、次の5項が挙げられています。

  • 事業承継・M&Aエキスパート認定者(試験合格者)
  • 弁護士・税理士・公認会計士・司法書士・中小企業診断士
  • 銀行・信用金庫・信用組合・証券会社・生命保険会社において法人営業経験が1年以上あり、現在も在籍中の方
  • 会計事務所等で1年以上の実務経験があり、現在も在籍中の方
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

資産承継アドバイザー、および金融業務2級 資産承継コースの合格は、この5項のいずれにも記載がありません。同講座のWeb講義受講料は132,000円(会員特別価格92,400円)、CBT方式試験の受験料は11,000円と案内されています。上位の認定まで視野に入れているなら、受講資格の第1項に直接乗る事業承継・M&Aコース側が入口になります。上位段階の費用と受講資格は事業承継シニアエキスパートの記事で詳しく扱っています。

ただし第2項・第5項に当てはまる方、つまり士業の有資格者や1級ファイナンシャル・プランニング技能士は、検定の合格を経由しなくても受講資格を満たします。その場合、資産承継コースを受けるかどうかは上位への接続とは切り離して、相続実務の知識を検定の形で確認したいかどうかで決めることになります。

06

教材と学習の進め方

きんざいの対応問題集・参考書のページには、2026年度版 金融業務2級 資産承継コース試験問題集が掲載されています。価格は定価2,200円、会員割引価格1,980円と表示されています(いずれも確認時点の表示)。受験対策のWEB特訓セミナーも案内されており、年間利用料はプレミアムコース15,840円、スタンダードコース7,920円と表示されています(いずれも税込)。

  • まず問題集を1周し、相続と法律・相続と税金・贈与と税金・相続財産の評価・相続開始後の手続のどこで落としているかを切り分けます。条文の理解で落ちるのか、税額や評価額の計算で落ちるのかで、補う資料が変わります。
  • 相続財産の評価は手を動かした分だけ伸びる分野です。読んで終わりにせず、計算の手順を紙に残します。
  • 総合問題は、分野別の知識が一巡してから時間を割きます。相続税額の算出は法律・税金・評価の3分野をまたぐため、どこか1分野が空いていると設問ごと落とします。なお分野別・設問別の配点は、公式ガイドにも受験者ポータルにも書かれていません。
  • 電卓は試験画面上のものを使います。手元の電卓の操作に頼った解き方は本番で再現できません。
  • 法令基準日が7月1日現在施行の法令等に置かれているため、年度をまたいだ古い教材は使いません。

独学で資格を積む設計そのものはM&A資格は独学で取れるかで資格別に整理しています。

07

中小M&A資格試験との関係

検討が進んでいる新しい資格制度との関係も整理しておきます。

中小企業庁が中小M&A市場の改革に向けた検討会に提出した資料2「中小M&A市場の改革に向けた方向性について」(2026年7月21日)には、「中小M&A支援資格制度(仮称)」の創設に向けた方向が記載されています。一方で、試験の方式・問題数・時間、実施団体・試験日・受験料についての記載は同資料では確認できませんでした。既存の民間検定の合格を免除や優遇の対象とする記載も見当たらず、資産承継アドバイザーという語も同資料には出てきません。「資産承継の検定を取れば新資格で有利になる」という言い方はできません。

言えるのは位置関係までです。資産承継コースが扱う相続・贈与・財産評価は、親族内で承継が完結する場面の知識です。中小M&Aが問題にしているのは、親族内に後継者がいない場合に社外へ引き継ぐ場面であり、扱う局面が違います。どちらも事業承継という言葉の下に入りますが、片方の学習がもう片方の下地になる関係にはありません。新資格そのものの最新状況は本体サイトの試験情報で確認できます(当メディア運営者が提供するサービスです)。合格後の登録・更新がどう設計されようとしているかは中小M&A資格の登録制度と更新で扱っています。

08

向いている人・向いていない人

  • 向いている人:公式が対象者に挙げる金融機関の渉外担当者・窓口担当者、生命保険会社・証券会社等の営業担当者
  • 向いている人:相続の相談を受ける立場で、遺産分割・納税資金・財産評価の順序を体系で押さえたい方
  • 向いている人:士業や1級ファイナンシャル・プランニング技能士で、上位講座の受講資格は別に満たしており、相続実務の知識だけを検定の形で確認したい方
  • 向いていない人:M&A・第三者承継の知識を検定で示したい方(範囲に含まれないため、事業承継・M&Aコース側が対象になります)
  • 向いていない人:上位の認定へ段階的に進む道筋を先に確保したい方(受講資格に記載が確認できないため、接続を前提にできません)
  • 向いていない人:相続税・贈与税の基礎が手元にない状態で、短期間で仕上げたい方(下位段階の検定がなく、合格基準70点にいきなり向き合うことになります)
09

注意点・よくある失敗

  • 認定名称の資産承継アドバイザーを、事業承継の検定だと考えて社内申請する(出題範囲に事業承継・M&Aの分野はありません)。
  • 3級から順に受けようとして種目一覧を探す(資産承継は2級にのみ設定されています)。
  • 合格すれば事業承継シニアエキスパートに進めると考える(受講資格に記載はありません)。
  • 銀行業務検定の相続アドバイザー3級と同じ系列だと思い込む(主催が別の試験です)。
  • 法令基準日を確認せず、前年度版の問題集で相続税・贈与税の対策をする。
  • 計算機の持込みを前提に練習する(私物の持込みは認められていません)。
  • 合格率が公表されていないにもかかわらず、出所の書かれていない数値を難易度の根拠に社内資料へ書く。
この記事の読み方

比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります

選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。

注意点

制度・料金・提供内容は更新されます

本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。

Long-tail questions

よくある質問

ありません。公式の種目別ガイドに「受験資格は特にありません」と記載されています。対象者として金融機関の渉外担当者・窓口担当者、生命保険会社・証券会社等の営業担当者が挙げられていますが、これは想定される受験者像であって条件ではありません。

Sources

一次資料・参考資料

Updates

更新・訂正履歴

  1. 初回公開

    記載の数値・制度情報は2026-09-25時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。

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