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M&A資格比較

M&Aスペシャリストの費用と試験の受け方

結論を先に示し、根拠・比較・関連する疑問・一次資料の順に確認できます。

Answer first結論

先に結論

M&Aスペシャリスト(一般社団法人日本経営管理協会)は受験資格の制限がなく、検定試験は11,000円(消費税込み)です。ただし資格は合格で完結せず、入会申請書の提出と資格審査委員会の審査を経て、スペシャリスト会員への入会と同時に付与されます。入会費用は計38,000円で検定試験料はその内数、年会費は33,000円。7講座の資格取得支援講座は任意で77,000円です。

Key takeaways

この記事の結論

  1. 01

    試験を受けるだけなら11,000円。検定試験は受験資格の制限がなく、合格基準は60%以上の正解。一般知識問題と論述問題で120分という構成で、四答択一だけのCBT検定とは問われ方が違う。

  2. 02

    資格は試験合格そのものではない。公式の定義は「検定試験に合格したのち、JIMA入会申請書(兼職務経歴書)を提出し、当協会資格審査委員会の審査を経て承認された者が、初めて入会と同時に取得できるもの」。名乗るには入会が前提になる。

  3. 03

    費用は取得時と維持に分かれる。スペシャリスト会員の入会費用は入会金5,000円+資格審査料11,000円+資格認定料22,000円の計38,000円で、この資格審査料には「※1スペシャリスト会員は、資格審査料の代わりに検定試験料となります。」という注記が付く。つまり検定試験料は入会費用の内数で、別枠で足すものではない。年会費は33,000円。

  4. 04

    講座を受けるかで総額が変わる。7講座・時間割の合計で11時間30分のオンライン講座が77,000円で、検定試験料と合わせた公式表記は88,000円(消費税込み)。受講を条件とする記載は確認できないため、受験だけなら講座を経由しない道がある。

  5. 05

    2026年度の検定試験は2回。第37回8月1日(土)は実施済みで、残るのは第38回12月5日(土)。申込締切は試験日の2週間前で、講座は開始2週間前が締切。

01

資格の位置づけ(最終確認日:2026-09-18)

項目公式ページの記載
運営団体一般社団法人日本経営管理協会(JIMA)
沿革昭和30年に「日本経営管理士会」として設立、昭和40年に現名称へ改称、平成21年4月に一般社団法人へ移行
上位団体「公益社団法人全日本能率連盟の正会員であり、常任理事団体」
資格の定義「検定試験に合格したのち、JIMA入会申請書(兼職務経歴書)を提出し、当協会資格審査委員会の審査を経て承認された者が、初めて入会と同時に取得できるもの」
資格の対象領域「企業・事業の買収にかかわる専門家」
会員種別スペシャリスト会員(「企業の M&A,事業承継・再生に関する助言・指導・教育・研修・ 調査研究これに付帯する業務に関心を持ち、スペシャリストの資格を取得した者」)

協会が認定する資格はM&Aスペシャリストだけではありません。認定資格一覧には経営管理士、M&Aスペシャリスト、事業承継支援スペシャリスト、事業再生スペシャリスト、HPMP-L、HPMP-S、BPIE、ITPSの8つが掲載されており(このうち事業再生スペシャリストは「現在、公開準備中です」と記載)、M&Aスペシャリストはそのうち買収実務に対応する位置づけです。会員種別も資格に対応していて、経営管理士を取得した人が正会員、スペシャリスト資格を取得した人がスペシャリスト会員になります。つまり「どの資格を取るか」は「どの会員になるか」と同義で、費用も会員種別で決まります。

同じスペシャリスト系の事業承継支援スペシャリストは、公式ページに「2026年度の開催は見送りとなりました」と記載されています。事業承継側を狙って準備を始める場合は、開催の有無を先に確認してください。承継系の資格をまとめて比べたい場合は事業承継の資格はどれを選ぶかを参照してください。

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02

検定試験の中身(最終確認日:2026-09-18)

項目内容
受験資格「受験資格の制限はありません。」
出題形式「一般知識問題、論述問題 120分」
合格基準「60%以上の正解で合格となります」
受験料11,000円(消費税込み)
2026年度の日程第37回 8月1日(土)※実施済/第38回 12月5日(土)
第38回の時間13:00からオリエンテーション、13:15〜15:15が検定試験
開催形式「講座、検定試験ともにオンライン開催」
申込方法公式ページの申込フォームから申込み。振込先は申込受領後に通知される旨の記載あり
申込締切試験日の2週間前
出題範囲「M&A実務」「職業倫理」「法務」「会計」「税務」の5分野(公式の出題範囲・参考図書より)

注目したいのは論述問題がある点です。事業承継・M&Aベーシックやエキスパートのように四答択一式をCBTで解く検定と違い、この試験は一般知識問題と論述問題を合わせて120分で解きます。選択肢から選ぶ形式だけでなく、自分の言葉で書く解答が含まれる形式です。出題範囲に「職業倫理」が独立した分野として置かれている点も、実務者向けの資格らしい構成といえます。

公式の出題範囲には参考図書として、企業買収の実務プロセス(中央経済社)、M&A実務の基礎(商事法務)、最新版 M&A実務のすべて(日本実業出版社)、図解でわかるM&A入門(翔泳社)、ストーリーでわかる初めてのM&A(日本加除出版)、M&A実務ハンドブック(中央経済社)の6冊が挙げられています。参考図書がいずれも市販書である以上、受験料11,000円と書籍代だけで準備を始めること自体は可能です。ただし独学で合格水準に届くかを判断できる材料(合格率や学習時間の目安)は、確認できた公式ページに掲載されていません。独学の可否を資格ごとに整理したものはM&A資格は独学で取れるかにあります。

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資格取得支援講座(任意)の中身(最終確認日:2026-09-18)

講座時間題目
第1講座10:45〜12:00中小M&Aの現状とM&Aスペシャリストへの期待
第2講座13:00〜14:15中小M&A支援の実務
第3講座14:30〜16:30デューディリジェンスの実務(特に財務DD)
第4講座10:00〜12:00企業価値評価の基礎と実務
第5講座13:00〜15:00最終契約・クロージング・PMIの実務
第6講座15:15〜17:15M&A事例研究(成功事例・失敗事例)
第7講座10:30〜11:30M&Aスペシャリストに求められる知識・役割と倫理

開催形式はオンライン、定員は20名、申込締切は講座開始の2週間前です。2026年度の2回目は11月27日(金)・28日(土)・12月5日(土)の日程で、検定試験と同じ12月5日に第7講座が置かれています。表に並んだ時間割を合計すると11時間30分です。

カリキュラムの並びは、中小M&Aの現状から入って支援実務・財務DD・企業価値評価・最終契約とPMI・事例研究まで一周し、最後に倫理で締める構成です。買収側の実務を一通りなぞる設計で、特定の分野だけを補強したい人には過剰になります。逆に、独学の範囲が広すぎて手をつけられない人には順序が与えられる利点があります。講座が必須か任意かは資格ごとに違うため、比較はM&A資格の講座・スクールの選び方にまとめています。

04

費用の全体像(最終確認日:2026-09-18)

項目金額条件
検定試験料11,000円(消費税込み)受験資格の制限なし
資格取得支援講座77,000円(消費税込み)任意。検定試験料と合わせた公式表記は88,000円(消費税込み)
入会金(スペシャリスト会員)5,000円表に税込・税抜の明記なし
資格審査料(同上)11,000円「※1スペシャリスト会員は、資格審査料の代わりに検定試験料となります。」と注記あり
資格認定料(同上)22,000円表に税込・税抜の明記なし
入会費用の合計(同上)38,000円入会金+資格審査料(=検定試験料)+資格認定料
年会費(同上)33,000円期の途中で入会する場合は月割計算と注記あり
講座を受けない場合の取得時費用38,000円入会費用38,000円。検定試験料11,000円はその内数
講座を受ける場合の取得時費用115,000円講座77,000円+入会費用38,000円(検定試験料は入会費用の内数)

ここで見落としやすいのが検定試験料の扱いです。入会費用の表では、スペシャリスト会員の資格審査料11,000円に「※1スペシャリスト会員は、資格審査料の代わりに検定試験料となります。」という注記が付いています。つまり検定試験料は入会費用38,000円の内数で、11,000円を別枠で足すと二重に数えることになります。

維持費は年会費33,000円です。入会後5年会員を続ける前提なら、講座を受けない場合は38,000円+33,000円×5年で203,000円、講座を受ける場合は115,000円+165,000円で280,000円が目安になります。ただし年会費の表には「経営管理士(正会員)、スペシャリスト会員、賛助会員が期の途中で入会する場合は月割計算とする」と注記があり、初年度は入会月に応じた月割になります。上の試算は満額×5年で置いた概算です。初回の請求額は申込み前に協会へ確認してください。

なお、資格の有効期限や更新講習の有無、退会した場合に資格を名乗れるかについては、確認できた公式ページに記載がありません。資格の付与が入会と一体である以上、退会後の扱いは申込み前に協会へ確認してください。

参考までに、正会員(経営管理士)の入会費用は入会金10,000円+資格審査料22,000円+資格認定料22,000円で計54,000円、年会費は42,000円です。ただし正会員には「直近の有料研修(講座)の受講が必要となります」「資格取得時の年会費は半額とする」という注記が付いており、額面の単純比較はできません。表の数字だけを見ればスペシャリスト会員のほうが入会費用も年会費も低い設定です。

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他の民間資格と比べたときの位置(最終確認日:2026-09-18)

資格運営者取得時の費用維持費用に関する公式の記載取得の方式
M&Aスペシャリスト一般社団法人日本経営管理協会38,000円(入会金5,000円+資格審査料11,000円=検定試験料+資格認定料22,000円)。講座を受ける場合は115,000円年会費33,000円(スペシャリスト会員)。有効期限・更新の記載は確認できず検定試験(受験資格なし)+資格審査委員会の審査+入会
JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会講座198,000円+入会金33,000円(いずれも税込)月額会費11,000円/月(税込)。一年分を一括講座+修了試験+理事会の審査+正会員入会
M&Aシニアエキスパート一般社団法人金融財政事情研究会143,000円(税込。受講料132,000円+認定試験受験料11,000円)案内ページに有効期限・更新の記載なし受講資格を満たした人が養成スクールを受講し認定試験
事業承継・M&Aエキスパート(金融業務2級 事業承継・M&Aコース)一般社団法人金融財政事情研究会7,700円(税込)種目別ガイドに会費・更新の記載なしCBT・四答択一式30問+総合問題10題・120分・70点以上
事業承継・M&Aベーシック(金融業務3級 事業承継・M&Aコース)一般社団法人金融財政事情研究会5,500円(税込)種目別ガイドに会費・更新の記載なしCBT・四答択一式50問・100分・60点以上
中小M&A支援資格制度(仮称・正式名称未公表)未公表未公表登録継続期間は「3~5年を想定」、更新時に「更新講習の修了」を課す案検討中

この並びで見ると、M&Aスペシャリストは「検定型と会員型の中間」にあります。受験資格がなく試験料も11,000円という点は検定型に近く、資格の付与が入会と一体で年会費が続く点は会員型です。年会費33,000円はCMAの月額会費11,000円(年132,000円)より低く、5年で見ると差はさらに開きます。一方、7,700円で完結する検定と比べれば維持費の分だけ重くなります。費用の横断比較はM&A資格の費用、資格の全体地図はM&A資格の一覧・体系マップにあります。会員型どうしの比較はJMAA認定M&Aアドバイザーの費用と取得条件が近いテーマです。

年会費を払う価値があるかは、資格の名前より会員として使えるものを見るべきです。公式の入会ページには「正会員特典」として、協会が推奨する「教育研修講座」を受講できること、季刊情報誌「経営管理」を無料で購読できること、セミナー・研究会等へ参加できることの3点が挙げられています。ただしスペシャリスト会員向けの特典としての個別の記載は確認できませんでした。年会費33,000円が何に対する対価かは、申込み前に協会へ直接確認することをおすすめします。

06

中小M&A資格試験との関係

中小企業庁が創設を目指している中小M&A支援資格制度(仮称)とは、設計主体も位置づけも別の制度です。2026年7月21日の検討会(第5回)資料2では、登録継続期間を「3~5年を想定」とし、登録時の要件として「登録講習の修了」、更新時の要件として「更新講習の修了」を挙げています。いずれも検討中の案で、正式名称・試験日・受験料・実施団体は未公表です。

既存の民間資格を持っていれば新資格で免除や優遇が受けられる、という記載は、確認できた公表資料の範囲では見当たりません。資料にあるのは「実務経験に応じて、免除等を行うことも検討」という、実務経験を基準とした免除の検討です。したがって現時点では、M&Aスペシャリストの保有が新資格で有利になると示す公表資料は確認できません。ただしM&Aスペシャリストの出題範囲には「職業倫理」が独立した分野として置かれ、講座にも「M&Aスペシャリストに求められる知識・役割と倫理」があります。新資格の登録講習が「M&A実務」「倫理・行動規範」を中心に想定されていることを踏まえると、学ぶ内容そのものは重なる部分があります。新資格の最新状況は本体サイトの試験情報で確認できます(当メディア運営者が提供するサービスです)。新資格側の登録・更新の設計は中小M&A資格の登録制度と更新で整理しています。倫理・行動規範の学び方そのものは中小M&A資格の倫理・行動規範の学び方にまとめました。

なお、M&A支援機関登録制度の登録要件として特定の民間資格が求められているわけではありません。登録と資格の関係はM&A支援機関登録制度と資格の関係を参照してください。

07

向いている人・向いていない人

  • 向いている人:受験資格の制限がない試験で、まず買収実務の知識を一度に測りたい方
  • 向いている人:四答択一だけでなく、論述で説明を組み立てる訓練まで含めて力を測りたい方
  • 向いている人:財務DD・企業価値評価・最終契約・PMIまで、買収側の流れを順番に学び直したい方
  • 向いている人:会員として団体に所属する形の資格を探していて、年会費33,000円の水準なら続けられる方
  • 向いていない人:合格した時点で資格を名乗れると考えている方(入会申請と資格審査委員会の審査、入会が前提です)
  • 向いていない人:一度の支払いで完結する資格を探している方(5,500円・7,700円の検定型のほうが目的に合います)
  • 向いていない人:年会費に見合う使い道が今の業務にない方
  • 向いていない人:事業承継側の支援を主眼にしている方(事業承継支援スペシャリストは2026年度の開催が見送りと記載されています)
  • 向いていない人:合格率や受験者数の実績値を見てから決めたい方(公式ページに掲載がありません)
08

注意点・よくある失敗

  • 検定試験料11,000円だけで予算を組み、入会費用38,000円(うち11,000円は検定試験料にあたります)と年会費33,000円を見落とす。
  • 「88,000円」を資格取得の総額と読む(これは講座77,000円と検定試験料11,000円の合計で、入会金5,000円と資格認定料22,000円が別に必要です)。
  • 講座が必須だと思い込んで申し込む(検定試験は「受験資格の制限はありません。」とされており、講座の受講を条件とする記載は確認できません)。
  • 事業承継支援スペシャリストの講座料金88,000円とM&Aスペシャリストの講座料金77,000円を取り違える(合計額の公式表記もそれぞれ99,000円と88,000円で異なります)。
  • 申込みを試験直前に回す(検定試験は試験日の2週間前、講座は開始2週間前が締切です)。
  • 税込金額として社内資料に転記する(入会費用と年会費の表には税込・税抜の明記がありません)。
この記事の読み方

比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります

選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。

注意点

制度・料金・提供内容は更新されます

本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。

Long-tail questions

よくある質問

国家資格ではありません。一般社団法人日本経営管理協会が認定する民間資格です。同協会は公益社団法人全日本能率連盟の正会員であり常任理事団体と案内されています。M&Aの業務そのものを独占する国家資格は現時点で存在しません。

Updates

更新・訂正履歴

  1. 初回公開

    記載の数値・制度情報は2026-09-18時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。

開示

比較と利害関係について

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