先に結論
FPが事業承継・M&Aの資格を選ぶときは、FPの級で入口が変わります。1級FP技能士は事業承継シニアエキスパートとM&Aシニアエキスパートの受講資格に挙がっており、一般区分なら受講料132,000円+受験料11,000円で講座に進めます。2級FPは受講資格に挙がっていないため、受験資格のない金融業務2級 事業承継・M&Aコース(7,700円)の合格から入ります。まず下の表で、自分の級で使えるルートを確かめてください。
この記事の結論
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1級ファイナンシャル・プランニング技能士は、金融財政事情研究会の事業承継シニアエキスパート(受講資格5項)とM&Aシニアエキスパート(受講資格6項)の両方で、1つのルートとして明記されている。勤務先や在籍年数の条件は付いていない。
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2級FP技能士は、どちらの受講資格にも挙がっていない。検定から入る場合の入口は金融業務2級 事業承継・M&Aコース(7,700円)で、合格で得る事業承継・M&Aエキスパートの認定が受講資格になる。3級(事業承継・M&Aベーシック)や2級の資産承継コースの合格は受講資格に挙がっていない。
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事業承継協会の事業承継士は、受講対象の一覧に「ファイナンシャル・プランニング技能士」が入っている。ただし一覧の表記に級の記載はなく、受講できるかの判断は協会側にある。取得費用は350,900円(税込)で、年会費と更新料が続く。
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費用の目安は、1級FPなら143,000円(シニアエキスパート1講座・一般区分)、2級FPなら検定を足して150,700円。会員区分に該当すれば受講料は92,400円まで下がる。
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国の新しい中小M&A資格試験は、「仲介者・FA等のM&A専門業者又は支援機関」に所属する仲介・FA業務に関わる者と、今後その業務を行おうとする者を主な受験対象としている。受験資格・試験日・受験料は未公表で、FPの級で扱いが変わるという記載は確認できた公表資料にない。
FPの級で変わる「取れる上位資格」と費用(最終確認日:2026-10-03)
FPの方が事業承継・M&Aの資格を調べると、検定・講座・協会資格が混ざって出てきます。まず「自分の級で、いま申し込めるか」で並べ直すと、選択肢ははっきり分かれます。
| 資格・検定 | 1級FP技能士 | 2級FP技能士 | 取得費用(税込) |
|---|---|---|---|
| 金融業務3級 事業承継・M&Aコース | 受験できる(受験資格なし) | 受験できる(受験資格なし) | 5,500円。合格しても上位講座の受講資格にはならない |
| 金融業務2級 事業承継・M&Aコース | 受験できる。受講資格づくりには不要 | 受験できる。上位講座への入口になる | 7,700円 |
| 事業承継シニアエキスパート | 受講資格あり(1級FP技能士のルート) | FPの級では該当しない。2級検定の合格で該当 | 受講料132,000円+受験料11,000円=143,000円 |
| M&Aシニアエキスパート | 受講資格あり(1級FP技能士のルート) | FPの級では該当しない。2級検定の合格で該当 | 受講料132,000円+受験料11,000円=143,000円 |
| 事業承継士(事業承継協会) | 受講対象の一覧に「ファイナンシャル・プランニング技能士」あり | 同じ一覧の表記に級の記載なし。協会に確認が必要 | 受講料330,000円+受験料9,900円+入会金11,000円=350,900円 |
| 中小M&A資格試験(国の新しい試験) | 受験資格は未公表 | 受験資格は未公表 | 受験料は未公表 |
差が出るのはシニアエキスパート2種の行です。1級FP技能士は講座に直接進めますが、2級FP技能士は検定を1本はさみます。
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1級FP技能士は、シニアエキスパート2種の受講資格をそのまま満たす
金融財政事情研究会の2つの講座は、受講資格を満たした人だけが申し込めます。どちらの公式案内にも「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」が1項として挙がっています。
| 比較軸 | 事業承継シニアエキスパート | M&Aシニアエキスパート |
|---|---|---|
| 認定制度上の段階 | アドバンス編 | プロフェッショナル編 |
| 1級FP技能士の扱い | 受講資格5項の1つ | 受講資格6項の1つ |
| 他のルートとの違い | 金融機関・会計事務所ルートは1年以上かつ現在も在籍中が条件 | 金融機関・会計事務所ルートは5年以上かつ現在も在籍中が条件 |
| 扱う中心領域 | 相続税・贈与税・財産評価・事業承継税制・遺留分に関する民法特例・自社株対策 | 第三者承継の実務(案件化・マッチング・法務)・企業評価・M&A会計税務 |
| 受講料(一般・税込) | 132,000円 | 132,000円 |
| 受験料(税込) | 11,000円 | 11,000円 |
| 試験(Web版) | CBT・四答択一式50問・120分・100点満点で60点以上 | CBT・四答択一式50問・120分・100点満点で60点以上 |
1級FP技能士のルートには、金融機関ルートのような「法人営業経験○年以上」「現在も在籍中」という条件が付いていません。独立系でも金融機関勤務でも、1級を持っていれば同じように該当します。
どちらを先に受けるかは、FPとしてふだん受けている相談で決めるのが自然です。相続・贈与・財産評価の相談が多いなら、事業承継シニアエキスパートのカリキュラム(相続税・贈与税・財産評価・事業承継税制など)は日常業務と重なる部分が多くなります。会社を第三者に譲る相談まで扱いたいなら、M&Aシニアエキスパートが対象になります。どちらを先に受けるべきかを定めた記載は、公式案内にはありません。各講座の詳細は事業承継シニアエキスパートの費用と受講資格とM&Aシニアエキスパートの費用と受講資格で整理しています。
2級FP技能士は、金融業務2級 事業承継・M&Aコースから入る
2級FP技能士は、シニアエキスパート2種の受講資格には挙がっていません。2級FPの方が上位講座に進む場合、使えるのは次のいずれかです。
- 金融業務2級 事業承継・M&Aコースに合格し、事業承継・M&Aエキスパートの認定を得る(受験資格なし・7,700円・通年のCBT)
- 1級FP技能士を取得する
- 銀行・信用金庫・信用組合・証券会社・生命保険会社に在籍し、法人営業経験の年数要件(事業承継側1年以上、M&A側5年以上)を満たす
- 会計事務所等に在籍し、実務経験の年数要件(同じく1年以上・5年以上)を満たす
このうち、所属や年数に左右されないのは金融業務2級の合格です。2級は四答択一式30問+総合問題10題・120分で、合格基準は100点満点で70点以上です。出題分野は「事業承継関連税制等」「事業承継関連法制等」「M&A基礎知識・関連会計」「M&A関連法制等」「総合問題」の5つで、FP試験で学んだ相続・贈与の知識は税制の分野で生きる一方、M&A側の2分野は新しく学ぶ範囲になります。
注意したいのは、似た名前の検定です。金融業務3級 事業承継・M&Aコースの合格(事業承継・M&Aベーシック)は、公式ガイドに上位講座の「受講資格とはなりません」と明記されています。金融業務2級 資産承継コース(資産承継アドバイザー)も、事業承継シニアエキスパートの受講資格には挙がっていません。資産承継コースは相続と法律・相続と税金・贈与と税金・相続財産の評価などで構成されFPの業務と近いため選ばれやすいのですが、上位講座につなげたいなら事業承継・M&Aコースを選んでください。2級の試験内容は金融業務2級 事業承継・M&Aコース、資産承継コースとの違いは金融業務2級 資産承継コースで比べています。
事業承継士は「ファイナンシャル・プランニング技能士」が受講対象の一覧に入る
「FP 事業承継士」で調べている方も多いはずです。一般社団法人事業承継協会の資格取得講座ページは、事業承継士の受講対象を、中小企業診断士・税理士・公認会計士・弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・土地家屋調査士・一級建築士・不動産鑑定士・ファイナンシャル・プランニング技能士などの国家資格などの専門スキル保有者が原則と記載しています。
ここで押さえるべき点は2つです。1つ目は、一覧の表記が「ファイナンシャル・プランニング技能士」で、1級・2級といった級の記載がないことです。2つ目は、講座の運営会社のページ(2026年9月19日確認)では「一般社団法人事業承継協会の認めた国家資格保有又は、それと同等の知識と能力があると判断される方」という条件が添えられており、該当するかを判断するのは協会側だという点です。2級FPの方が「一覧にFP技能士とあるから大丈夫」と自分で判断せず、申し込む前に協会へ確認してください。
費用は、シニアエキスパートとは桁が違います。受講料330,000円・受験料9,900円・入会金11,000円(いずれも税込)の合計350,900円で、取得後も年会費11,000円(税込)が毎年、更新料5,500円(税込)が3年ごとにかかります。講座は全30時間(全5日間)で、受験資格は講座で75%以上の出席をした人です。中心は親族内承継を含む承継実務で、科目名にM&Aを掲げた枠は30時間のうち1時間にとどまります。費用の内訳と講座の中身は事業承継士の費用と受講資格で詳しく扱っています。
「FP」と「FA」は別。国の新しい試験との関係
「FP M&A 資格」で調べると、M&Aの世界で使われる「FA」という言葉に出会います。M&AでいうFAは売り手や買い手の一方を支援するファイナンシャル・アドバイザーのことで、ファイナンシャル・プランナー(FP)とは別の言葉です。中小企業庁が実施する中小M&A資格試験の募集要領は「仲介者・FA等のM&A専門業者又は支援機関(金融機関、士業等専門家、M&Aプラットフォーム等)に所属する仲介・FA業務に関わる者、並びに今後中小M&Aの仲介・FA業務を行おうとする者を主な受験対象とする。」と書いています。この原文にFP(ファイナンシャル・プランナー)という語はありません。
検討会資料には、主な受験対象として「今後中小M&Aの仲介・FA業務を行おうとする者」も含まれ、商工団体や事業会社で中小M&Aに携わる者にも受験を広く推奨すると書かれています。一方で、受験資格・試験日・受験料・正式名称は2026年10月3日時点で未公表です。FP技能士の級によって新試験の扱いが変わる、あるいは既存の資格で免除される、という記載は確認できた公表資料には見当たりません。
もう1点、FPの業務と重なる注意があります。検討会資料は「仲介・FA業務は、各士業の独占業務(弁護士法第72条、税理士法第52条等)に抵触しないことを前提とする」とし、「本資格試験の合格は、既存の業法に基づく独占業務の実施を可能とするものではない」と明記しています。資格を取っても税理士の業務範囲に入れるわけではありません。新試験で想定されている4科目(「M&A実務」「財務・税務」「法務」「倫理・行動規範」)で自分の現在地を知りたい場合は、無料の20問診断で確認できます(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。
FPの立場別・最初の一歩
| あなたの状況 | 最初の一歩 | 理由 |
|---|---|---|
| 1級FP技能士で、相続・贈与の相談が多い | 事業承継シニアエキスパート | 受講資格をすでに満たし、カリキュラムが相続税・財産評価・事業承継税制に寄っている |
| 1級FP技能士で、会社の売却相談も受けたい | M&Aシニアエキスパート | 受講資格をすでに満たし、第三者承継の実務と企業評価を扱う |
| 2級FP技能士で、上位講座まで進みたい | 金融業務2級 事業承継・M&Aコース | 所属や年数に関係なく、合格で両講座の受講資格を得られる |
| 2級FP技能士で、まず用語と全体像を押さえたい | 金融業務3級 事業承継・M&Aコース | 5,500円で4分野を一巡できる。ただし受講資格にはならない |
| 士業との協業の中で承継案件を最後まで担当したい | 事業承継士(協会に受講可否を確認) | 受講対象の一覧に「ファイナンシャル・プランニング技能士」がある。350,900円と維持費を見込む |
| 国の新しい試験の受験を考えている | 公表を待ちつつ、新試験の科目で現在地を測る | 受験資格・試験日・受験料は未公表 |
1級でも2級でも、最初に決めるべきは「親族内承継(相続・自社株)を深めるのか、第三者承継(M&A)まで広げるのか」です。この軸が決まれば、受ける資格は表のどこかに収まります。承継系資格の全体像は事業承継の資格はどれを選ぶか、受けられる資格の条件の横並びはM&A資格の受験資格にまとめています。
注意点・よくある失敗
- 2級FP技能士でもシニアエキスパートに申し込めると思い込む(受講資格に挙がっているのは1級FP技能士です)。
- 上位講座の入口として金融業務3級や2級の資産承継コースを受ける(受講資格になるのは2級 事業承継・M&Aコースの合格で得る認定です)。
- 事業承継士の受講対象を級の記載がないまま自己判断する(該当を判断するのは協会側です。申込前に確認してください)。
- FPとFAを同じものとして、新試験の受験者想定に「FP」が書かれていると説明する(原文にFPという語はありません)。
- 資格を取れば税務相談の範囲が広がると考える(検討会資料は、新試験の合格が独占業務の実施を可能にするものではないと明記しています)。
比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります
選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。
制度・料金・提供内容は更新されます
本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。
よくある質問
FPの級だけでは受けられません。受講資格に挙がっているのは1級ファイナンシャル・プランニング技能士です。2級FPの方は、受験資格のない金融業務2級 事業承継・M&Aコース(7,700円)に合格して事業承継・M&Aエキスパートの認定を得れば、受講資格を満たします。
公式案内の受講資格では、1級ファイナンシャル・プランニング技能士のルートに勤務先や在籍年数の条件は付いていません。金融機関や会計事務所のルートにある「現在も在籍中」という条件も、このルートには書かれていません。
事業承継協会の受講対象の一覧には「ファイナンシャル・プランニング技能士」とあり、級の記載はありません。講座の運営会社のページでは、協会が認めた国家資格保有者またはそれと同等と判断される方という条件が示されています。受講できるかは協会が判断するため、申込前に確認してください。
カリキュラムで見ると、相続税・贈与税・財産評価・事業承継税制を扱う事業承継シニアエキスパートのほうがFPの業務領域と重なります。M&Aシニアエキスパートは案件化・マッチング・法務・企業評価など第三者承継の実務が中心です。どちらを先に受けるべきかを定めた公式の記載はありません。
受験資格が未公表のため、現時点では判断できません。募集要領には「仲介者・FA等のM&A専門業者又は支援機関(金融機関、士業等専門家、M&Aプラットフォーム等)に所属する仲介・FA業務に関わる者、並びに今後中小M&Aの仲介・FA業務を行おうとする者を主な受験対象とする。」とあり、FPという語は書かれていません。新試験の科目で今の力を測りたい場合は、無料の20問診断を使えます(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。
一次資料・参考資料
- 公式情報金融財政事情研究会 KINZAI Webアカデミー 事業承継シニアエキスパート(受講資格5項・受講料・受験料・カリキュラム)確認日:2026-10-03
- 公式情報金融財政事情研究会 KINZAI Webアカデミー M&Aシニアエキスパート(受講資格6項・受講料・受験料・試験形式)確認日:2026-10-03
- 公式情報金融財政事情研究会 第103回・第104回 M&Aシニアエキスパート養成スクール(認定講座)・認定試験確認日:2026-10-03
- 公式情報金融財政事情研究会 事業承継・M&A(認定制度の4段階)確認日:2026-10-03
- 公式情報金融財政事情研究会 種目別ガイド 金融業務2級 事業承継・M&Aコース確認日:2026-10-03
- 公式情報金融財政事情研究会 種目別ガイド 金融業務3級 事業承継・M&Aコース(上位講座の受講資格にならない旨)確認日:2026-10-03
- 公式情報金融財政事情研究会 種目別ガイド 金融業務2級 資産承継コース確認日:2026-10-03
- 公式情報一般社団法人事業承継協会 資格取得講座(事業承継士の受講対象者)確認日:2026-10-03
- 公式情報一般社団法人事業承継協会 ごあんない(入会金・年会費)確認日:2026-10-03
- 一次資料中小企業庁 中小M&A資格試験実施事業 企画競争募集要領(2026年3月27日)確認日:2026-10-03
- 一次資料中小企業庁 中小M&A市場の改革に向けた検討会(第4回)資料2(2026年3月17日)確認日:2026-10-03
- 一次資料中小企業庁 中小M&A資格試験実施事業 委託先の採択結果(2026年5月1日)確認日:2026-10-03
更新・訂正履歴
- 初回公開
記載の数値・制度情報は2026-10-03時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。
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