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M&A資格比較

M&A資格の受験資格。誰が受けられるかを比べる

結論を先に示し、根拠・比較・関連する疑問・一次資料の順に確認できます。

Answer first結論

先に結論

受験資格の制限がないのは、金融業務2級・3級の5種目、事業承継アドバイザー3級、M&Aスペシャリストです。公式ページにそれぞれ「受験資格は特にありません」「どなたでも受験可能」「受験資格の制限はありません」と明記されています。一方、シニアエキスパート2種は受講資格を満たした人だけが対象、JMAA認定M&Aアドバイザーは講座の受講と正会員への入会が前提、事業承継士は国家資格などの保有者が受講の原則です。中小M&A資格試験の受験資格は公表されていません。

Key takeaways

この記事の結論

  1. 01

    費用や難易度を比べる前に、条件は「誰でも受けられる」側と「所属・資格・勤続年数が要る」側に分かれる。ここで選べる範囲が決まる。

  2. 02

    制限なしと公式に明記されているのは7種目。金融業務3級の2種目、金融業務2級の3種目、事業承継アドバイザー3級、M&Aスペシャリストで、いずれも申込時点の肩書きを問われない。

  3. 03

    シニアエキスパート2種は受講資格に該当しなければ申し込めない。該当ルートは事業承継側が5項、M&A側が6項で、勤続年数の条件が1年以上と5年以上で異なる。

  4. 04

    合格しただけでは名乗れない資格がある。M&AスペシャリストとJMAA認定M&Aアドバイザーは、入会と審査を経てはじめて資格が付与される。

  5. 05

    中小M&A資格試験は受験資格そのものが未公表。検討会資料にあるのは「主な受験対象」で、受験を制限する条件としては示されていない。

01

受験・受講の条件を一覧で比べる(最終確認日:2026-09-29)

資格・検定受験・受講の条件運営
金融業務3級 事業承継・M&Aコース受験資格は特にありません金融財政事情研究会
金融業務3級 事業性融資推進コース受験資格は特にありません金融財政事情研究会
金融業務2級 事業承継・M&Aコース受験資格は特にありません金融財政事情研究会
金融業務2級 事業再生コース受験資格は特にありません金融財政事情研究会
金融業務2級 資産承継コース受験資格は特にありません金融財政事情研究会
事業承継アドバイザー3級どなたでも受験可能銀行業務検定協会
M&Aスペシャリスト受験資格の制限はありません日本経営管理協会
事業承継シニアエキスパート受講資格5項のいずれかに該当すること金融財政事情研究会
M&Aシニアエキスパート受講資格6項のいずれかに該当すること金融財政事情研究会
JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)養成講座そのものの受講条件は公式ページで確認できない。資格付与に必要な正会員の入会資格が「養成講座の受講と修了試験の合格」または「協会が特別に認定した実務経験者」の2区分日本M&Aアドバイザー協会
事業承継士資格取得講座の受講(国家資格などの専門スキル保有者が原則)事業承継協会
中小M&A資格試験未公表中小企業庁(民間の試験実施団体へ委託する想定)
比較のあとに

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02

制限なしの7種目は、肩書きを問われない

金融業務3級の2種目(事業承継・M&Aコース、事業性融資推進コース)、金融業務2級の3種目(事業承継・M&Aコース、事業再生コース、資産承継コース)は、いずれも種目別ガイドに「※受験資格は特にありません」と書かれています。金融機関に勤めていなくても、士業でなくても、CBTの空きがあれば申し込めます。

事業承継アドバイザー3級は銀行業務検定協会が主催するCBT種目で、受験者ポータルに「どなたでも受験可能」とあります。受験料5,500円(10%消費税込)のほかに、事務手数料330円(10%消費税込)が別途かかると記載されています。確認した5種目の種目別ガイドには受験手数料だけが示され、事務手数料についての記載はありません。

M&Aスペシャリストも「受験資格の制限はありません」と明記されています。ただし後述のとおり、試験に受かることと資格を名乗ることが分かれている点に注意が必要です。

金融財政事情研究会の種目別ガイドでは、想定読者と受験資格が同じ「試験の対象者」欄に併記されています。金融業務2級 事業承継・M&Aコースであれば「金融機関の渉外・融資担当者、公認会計士・税理士等 ※受験資格は特にありません」という並びです。前半は想定読者を示したもので、条件にあたるのは末尾の一文です。

03

受講資格が要る2つは、該当ルートを先に確認する

シニアエキスパート2種は、受講資格のいずれかに該当する人だけが養成スクール(KINZAI Webアカデミー)に申し込め、受講を経て認定試験を受けます。試験の手前に関門があるため、申込前に自分が該当するかを確認する必要があります。

事業承継シニアエキスパートの受講資格(5項)

  • 事業承継・M&Aエキスパート認定者(試験合格者)
  • 弁護士・税理士・公認会計士・司法書士・中小企業診断士
  • 銀行・信用金庫・信用組合・証券会社・生命保険会社において法人営業経験が1年以上あり、現在も在籍中の方
  • 会計事務所等で1年以上の実務経験があり、現在も在籍中の方
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

M&Aシニアエキスパートの受講資格(6項)

  • 事業承継・M&Aエキスパート認定者/事業承継シニアエキスパート認定者(試験合格者)
  • 弁護士・税理士・公認会計士・司法書士
  • 銀行・信用金庫・信用組合・証券会社・生命保険会社において法人営業経験が5年以上あり、現在も在籍中の方
  • 会計事務所等で5年以上の実務経験があり、現在も在籍中の方
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 一般社団法人M&A支援機関協会会員役職員

似ているようで、4か所が違います。第一に勤続・実務経験の年数が1年以上と5年以上で、金融機関勤務者にとっては入りやすさが大きく変わります。第二に中小企業診断士は事業承継側にだけ挙がっています。第三にM&A支援機関協会会員役職員のルートはM&A側にだけあります。第四に、M&A側の第1項には「事業承継シニアエキスパート認定者」が加えられており、事業承継側の認定から進む道が用意されています。

もう一点、実務的に重要なのは、どちらの受講資格にも挙がっているのが「事業承継・M&Aエキスパート認定者」だという点です。これは金融業務2級のうち事業承継・M&Aコースの合格者に付与される認定名称で、同じ2級でも事業再生コース(事業再生アドバイザー)・資産承継コース(資産承継アドバイザー)の認定名称は列挙されていません。金融業務3級(事業承継・M&Aベーシック)も同様です。上位講座への足がかりとして考えるなら、2級の事業承継・M&Aコースに進む必要があります。

04

合格しただけでは名乗れない資格がある

受験条件とあわせて確認したいのが、合格後の条件です。試験に受かった時点で認定名称が付く資格と、入会や審査を経てはじめて資格が付与される資格に分かれます。

資格合格・修了後に必要なこと
金融業務2級・3級の各種目確認した公式ページに入会や登録を求める記載はなく、合格により「一般社団法人金融財政事情研究会認定 事業承継・M&Aエキスパート」等の認定名称が付与される
事業承継アドバイザー3級受験者ポータルに入会や登録の条件は記載されていない
事業承継シニアエキスパート/M&Aシニアエキスパート受講資格を満たして受講し、認定試験に合格することで認定名称が付与される
M&Aスペシャリスト検定試験の合格後、入会申込書を提出し、資格審査委員会の審査を経て、認定書(兼会員証)が送付される
JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)養成講座の修了試験に合格したうえで、理事会の審査を経て正会員として入会し、資格が付与される
事業承継士協会の会員種別に「事業承継士」が置かれている。入会金1万円・年会費1万円(いずれも税別)と公式サイトに記載。入会が資格付与の条件にあたるかどうかは、公式サイトの記載からは確認できない
中小M&A資格試験登録制度を検討中。要件案は「試験合格」+「誓約書の提出」+「登録講習の修了」+「欠格事由非該当の確認」

M&AスペシャリストとJMAA認定M&Aアドバイザーは入会が資格付与の条件で、事業承継士も協会の会員種別として置かれています。いずれも会員でいるあいだ会費が続くため、取得時の一括費用だけで比べると見誤ります。総額の比べ方はM&A資格の費用の記事にまとめています。

05

中小M&A資格試験の受験資格は公表されていない

中小企業庁の検討会資料には、受験資格そのものの記載は確認できていません。代わりに示されているのは主な受験対象で、「仲介者・FA等のM&A専門業者又はその他の支援機関(金融機関、士業等専門家、M&Aプラットフォーム等)に所属する仲介・FA業務に関わる者及び今後中小M&Aの仲介・FA業務を行おうとする者を主な受験対象とする。また、商工団体や事業会社において中小M&Aに携わる者等についても、受験を広く推奨する」と書かれています。

これは「誰を想定した試験か」を述べたもので、受験を制限する条件としては示されていません。「今後中小M&Aの仲介・FA業務を行おうとする者」が対象に含まれていることからも、現時点で所属や実務経験による線引きが決まっているとは読めません。試験日・受験料・実施団体はいずれも未公表です。合格後の登録制度については登録と更新の記事で整理しています。

06

今日の自分が申し込めるものから選ぶ

  • 金融機関にも士業にも所属していない:金融業務3級・2級の各種目、事業承継アドバイザー3級、M&Aスペシャリストが対象になる。まず金融業務3級 事業承継・M&Aコースから条件を確認する
  • 金融機関で法人営業1年以上:事業承継シニアエキスパートの受講資格に届く。受講資格と費用の詳細
  • 金融機関で法人営業5年以上、または弁護士・税理士・公認会計士・司法書士・1級FP技能士:M&Aシニアエキスパートの受講資格に届く
  • 会計事務所等での実務経験がある:1年以上なら事業承継シニアエキスパート、5年以上ならM&Aシニアエキスパートの受講資格に届く
  • 一般社団法人M&A支援機関協会の会員役職員:M&Aシニアエキスパートの受講資格に届く(事業承継シニアエキスパート側には挙がっていない)
  • 中小企業診断士:事業承継シニアエキスパートの受講資格には挙がっているが、M&Aシニアエキスパートの受講資格には挙がっていない
  • 独立してM&Aアドバイザー業務を行う前提:JMAA認定M&Aアドバイザーは講座と正会員入会がセット
  • 国家資格を持ち承継支援を広げたい:事業承継士は国家資格などの保有者が受講の原則
  • 中小M&A資格試験に備えたい:受験資格の公表を待つあいだ、既存の検定で基礎を作る判断になる

条件で絞ったあとに効いてくるのが合格基準の差です。難易度を合格基準で比べた記事で、60点台と70点以上の線引きを整理しています。

07

注意点・よくある失敗

「受験資格がない」ことと「準備なしで受かる」ことは別です。金融業務2級は合格基準が100点満点で70点以上、出題形式も四答択一式30問に総合問題10題が加わります。申し込める範囲の広さは、学習量の少なさを意味しません。

受講資格の年数要件は、条件文に「現在も在籍中の方」と書かれています。過去に該当していたかどうかではなく、申込時点の状況で判断される書き方です。転職や異動を挟む場合は、申し込みのタイミングが結果を左右します。

入会が関わる資格を、受験料や講座料だけで比べないでください。名乗り続けるための会費が別に続きます。

3級の合格を上位講座への近道と考えるのも行き違いのもとです。シニアエキスパート2種の受講資格に挙がっているのは金融業務2級 事業承継・M&Aコースの認定者で、3級も、2級の他の種目も列挙されていません。

この記事の読み方

比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります

選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。

注意点

制度・料金・提供内容は更新されます

本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。

Long-tail questions

よくある質問

公式ページの記載上はそうです。金融業務2級・3級の各種目は「※受験資格は特にありません」、事業承継アドバイザー3級は「どなたでも受験可能」、M&Aスペシャリストは「受験資格の制限はありません」と明記されています。ただし事業承継アドバイザー3級には受験料とは別に事務手数料330円(10%消費税込)がかかるなど、申込時の条件は種目ごとに異なります。

Sources

一次資料・参考資料

Updates

更新・訂正履歴

  1. 初回公開

    記載の数値・制度情報は2026-09-29時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。

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