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金融業務2級 資産承継コースと事業承継・M&Aコースの違い

結論を先に示し、根拠・比較・関連する疑問・一次資料の順に確認できます。

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先に結論

金融業務2級の事業承継・M&Aコースと資産承継コースは、受験料7,700円・120分・四答択一式30問+総合問題10題・70点以上という枠は同じで、違うのは「出題分野」「認定名称」「上位講座の受講資格になるか」の3点です。M&Aの会計・法制を問われ、合格がシニアエキスパート2講座の受講資格になるのは事業承継・M&Aコースだけです。相続・贈与・財産評価の相談が中心なら資産承継コースを選び、予約の前に自分の目的を下の判断表で一度確かめてください。

Key takeaways

この記事の結論

  1. 01

    同じ金融業務2級でも、事業承継・M&Aコース(認定:事業承継・M&Aエキスパート)、資産承継コース(認定:資産承継アドバイザー)、事業再生コース(認定:事業再生アドバイザー)は別の試験で、出題分野は総合問題を除いて一つも重ならない。

  2. 02

    受験料7,700円・120分・択一30問+総合問題10題・100点満点で70点以上・法令基準日7月1日は、事業承継・M&Aコースと資産承継コースで同一。事業再生コースだけ受験料11,000円・法令基準日4月1日と異なる。

  3. 03

    M&Aシニアエキスパートと事業承継シニアエキスパートの養成スクールの受講資格を合格で得られるのは事業承継・M&Aコースのみ。受験者ポータルに「本試験の合格者は、M&Aシニアエキスパート養成スクール及び事業承継シニアエキスパート養成スクールの受講資格を得ることができます」と明記されている。資産承継・事業再生の両コースにこの記述はなく、両講座の受講資格の項にも認定名称は挙がっていない。

  4. 04

    対象者の原文は、事業承継・M&Aコースが「金融機関の渉外・融資担当者、公認会計士・税理士等」、資産承継コースが「金融機関の渉外担当者・窓口担当者、生命保険会社・証券会社等の営業担当者」。窓口・保険・証券の営業職が明示されているのは資産承継コースだけ。

  5. 05

    上位講座へ進む予定がある、またはM&Aの会計・法制を学びたいなら事業承継・M&Aコース。相続の前後の手続と税金を体系で押さえたいなら資産承継コース。窮境先の再生計画を扱うなら事業再生コース。

01

3つのコースを並べた比較表(最終確認日:2026-10-04)

比較軸事業承継・M&Aコース資産承継コース事業再生コース
認定名称一般社団法人金融財政事情研究会認定 事業承継・M&Aエキスパート一般社団法人金融財政事情研究会認定 資産承継アドバイザー一般社団法人金融財政事情研究会認定 事業再生アドバイザー
受験資格「受験資格は特にありません」「受験資格は特にありません」特にありません
受験料(税込)7,700円7,700円11,000円
試験時間120分120分120分
出題形式四答択一式30問、総合問題10題四答択一式30問、総合問題10題四答択一式30問、総合問題10題
合格基準100点満点で70点以上100点満点で70点以上100点満点で70点以上
出題分野(総合問題を除く)事業承継関連税制等/事業承継関連法制等/M&A基礎知識・関連会計/M&A関連法制等相続と法律/相続と税金/贈与と税金/相続財産の評価/相続開始後の手続債務者企業の分析と状況把握/事業再生計画の策定と実行/事業再生の各種手法/事業再生のための会計・税務
法令基準日7月1日現在施行の法令等(受験者ポータルの表示は2026年7月1日)7月1日現在施行の法令等(受験者ポータルの表示は2026年7月1日)4月1日現在施行の法令等
上位講座の受講資格合格で両養成スクールの受講資格を得られる旨が受験者ポータルに明記確認した種目別ガイド・受験者ポータルに記載なし確認した種目別ガイド・受験者ポータルに記載なし
同系統の3級金融業務3級 事業承継・M&Aコース(5,500円)設けられていない設けられていない

表の上半分(受験資格から合格基準まで)は、事業承継・M&Aコースと資産承継コースで一行も差がつきません。差がつくのは下半分の「出題分野」「上位講座の受講資格」「同系統の3級」です。予約画面でコース名を選ぶ前に見るべきなのは、この下半分です。

比較のあとに

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2級のどのコースに7,700円を使うかを決める前に、国の新しい試験が想定する領域で自分の現在地を20問で確かめておくと、M&A側に軸足を置くかどうかを判断する材料になります(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。

02

対象者と試験の狙い:原文で読み比べる

公式の種目別ガイドは、コースごとに「試験の狙い」と「対象者」を短く書いています。ここに、どんな人がどんな場面で使う知識かが凝縮されています。

コース試験の狙い(公式表記)対象者(公式表記)
事業承継・M&Aコース「中小企業M&Aの会計・税務・法務等の基礎的な知識の習得度を検証します」「金融機関の渉外・融資担当者、公認会計士・税理士等」
資産承継コース「遺産分割対策・納税資金準備・相続税額の軽減に関する考え方について説明ができる」「相続の手続きについてアドバイスができる」知識と実践力を検証「金融機関の渉外担当者・窓口担当者、生命保険会社・証券会社等の営業担当者」
事業再生コース「コロナ禍により窮境にある取引先企業が事業再生局面に至った際に金融機関に求められる企業の事業・財務再構築に必要な再生計画策定・実行能力を検証します」「『事業再生チーム』などの本部専担者、営業店の支店長、融資・渉外・法人担当の役席者」

読み取れる違いは3つです。

  • 主語が会社か個人か:事業承継・M&Aコースは「中小企業M&A」で会社の譲渡が主語、資産承継コースは「遺産分割」「納税資金」「相続税額」で個人の財産が主語です。
  • 窓口・保険・証券が入るか:資産承継コースだけが「窓口担当者」「生命保険会社・証券会社等の営業担当者」を挙げています。
  • 役職の前提:事業再生コースだけが「本部専担者」「支店長」「役席者」と役職を明示しています。

対象者は条件ではなく想定像なので、どのコースも誰でも受けられます。ただし日常業務と主語が合うコースの方が、学んだ知識をそのまま使えます。

03

出題分野の違い:何が問われ、何が問われないか

3コースの出題分野を並べると、総合問題を除いて重なる分野名は一つもありません。

名前が近いために混同されやすいのが「事業承継関連税制等」(事業承継・M&Aコース)と「相続と税金・贈与と税金」(資産承継コース)です。前者は自社株の承継にかかる税制で、会社の株式をどう後継者へ移すかが論点です。後者は相続税・贈与税の計算と対策で、株式に限らず個人の財産全体を扱います。資産承継コースの5分野に「M&A」の語は一度も出てきません。第三者への会社の譲渡、企業価値の見方、譲渡契約の法制を問われるのは事業承継・M&Aコースだけです。

逆に、相続開始後の手続を分野として独立させているのは資産承継コースだけです。事業承継・M&Aコースの事業承継関連法制等は、遺留分や自社株にかかる会社法・民法の論点が中心で、相続手続の実務そのものは分野名に挙がっていません。

分野別の配点は、どのコースも公式ガイド・受験者ポータルに記載がありません。「得意な分野だけで70点」という設計が成立するかは公表情報からは判断できないため、どのコースを選んでも5分野を一巡する前提で準備することになります。各コース単体の中身は金融業務2級 事業承継・M&Aコースの記事、金融業務2級 資産承継コースの記事、金融業務2級 事業再生コースの記事で扱っています。

04

上位講座の受講資格になるのはどのコースか

7,700円の使い道として最も差が出るのがここです。

金融財政事情研究会は事業承継・M&Aの学習を、金融業務3級(ベーシック編)・2級 事業承継・M&Aコース(スタンダード編)・事業承継シニアエキスパート(アドバンス編)・M&Aシニアエキスパート(プロフェッショナル編)の4段階で案内し、上の2段階には受講資格があります。

事業承継・M&Aコースの受験者ポータルには「本試験の合格者は、M&Aシニアエキスパート養成スクール及び事業承継シニアエキスパート養成スクールの受講資格を得ることができます」と書かれています。実際に、事業承継シニアエキスパート(受講資格5項)とM&Aシニアエキスパート(受講資格6項)のどちらの公式案内でも、第1項に「事業承継・M&Aエキスパート認定者(試験合格者)」が挙がっています。残りの項は士業(弁護士・税理士・公認会計士・司法書士、アドバンス編は中小企業診断士も)、金融機関・会計事務所等での実務経験(1年以上または5年以上で現在も在籍中)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、プロフェッショナル編ではM&A支援機関協会会員役職員です。

資産承継コースと事業再生コースについては、種目別ガイドにも受験者ポータルにも上位講座に関する記述がなく、両講座の受講資格の各項にも「資産承継アドバイザー」「事業再生アドバイザー」の名称は出てきません。「同じ2級だから同じ道が開く」とは言えない、ということです。

なお、金融業務3級 事業承継・M&Aコースの合格(事業承継・M&Aベーシックの認定)は、公式ガイドに「受講資格とはなりません」と明記されています。検定の合格から上位講座へつながる経路は、2級 事業承継・M&Aコースの合格ただ一つです。上位2講座の中身と選び方は事業承継シニアエキスパートとM&Aシニアエキスパートの違いで比べています。

05

目的別の判断表:どのコースを予約するか

あなたの目的・立場選ぶコース理由
将来、事業承継シニアエキスパートかM&Aシニアエキスパートに進みたい(士業資格・所定の実務経験年数なし)事業承継・M&Aコース合格で両養成スクールの受講資格を得られる旨が受験者ポータルに明記。他の2コースにはこの接続がない
第三者への会社の譲渡(M&A)の会計・法制を体系で学びたい事業承継・M&AコースM&A基礎知識・関連会計、M&A関連法制等を分野として置くのはこのコースだけ
担当先からの相談が相続・贈与・遺産分割に偏っている資産承継コース相続と法律から相続開始後の手続まで、相続の前後を5分野で覆う
窓口・保険・証券の営業職で、個人客の資産の相談が主資産承継コース公式の対象者に窓口担当者・生命保険会社・証券会社等の営業担当者が明示されている
債務超過・条件変更先の再生計画を読む立場(本部・支店長・役席者)事業再生コース対象者と出題分野が窮境先の再生に特化。受験料11,000円・法令基準日4月1日と条件が異なる
自社株の承継と個人の相続の両方を扱う事業承継・M&Aコース→資産承継コースの順上位講座への接続を先に確保し、相続側は後から足す。受験料は合計15,400円
社内の資格手当・評価要件で認定名称が指定されている指定の名称に対応するコース事業承継・M&Aエキスパート、資産承継アドバイザー、事業再生アドバイザーは別の認定。名称を先に確認する

迷ったときの基準は一つで、「上位講座に進む可能性が少しでもあるか」です。あるなら事業承継・M&Aコースが先、ないなら相談件数の多い分野のコースです。すでに士業資格や1級ファイナンシャル・プランニング技能士を持っている方は、受講資格を別の項で満たすため、接続を理由にコースを選ぶ必要はありません。

もう一つ視野に入れておきたいのが、国の新しい試験です。中小企業庁が運営主体となる中小M&A資格試験は、募集要領で「仲介者・FA等のM&A専門業者又は支援機関(金融機関、士業等専門家、M&Aプラットフォーム等)に所属する仲介・FA業務に関わる者、並びに今後中小M&Aの仲介・FA業務を行おうとする者を主な受験対象とする。」とされ、4科目をCBTでまとめて120分、設問数は最大60問程度という想定が示されています。金融業務2級の3コースとは別制度で、免除・優遇の関係は確認できた公表資料には見当たりません。試験日・受験料は2026年10月4日時点で未公表です。事業承継・M&Aコースを選ぶ理由が「M&A側に軸足を置きたいから」なら、新しい試験の領域で自分の現在地を無料の20問診断で確かめておくと、2級の学習でどの分野に時間を使うかを決める材料になります(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。

06

申込前に確認する共通ルール(最終確認日:2026-10-04)

事業承継・M&Aコースと資産承継コースは、受験者ポータルの申込ルールも同じ書き方です。

  • 予約可能期間:「受験日の属する月を含んで4カ月前の月初より受験日の3日前まで」。
  • 事務手数料:「コンビニエンスストア決済およびPay-easy決済の場合は、受験手数料に加えて、事務手数料297円(税込)をご負担いただきます」。それ以外の決済方法については、事務手数料の記載がありません。
  • 再受験の制限:「受験日の翌日から起算して5日間は、2度目の受験はできません」。不合格の翌日に再予約を入れる計画は立てられません。
  • 結果通知:「試験終了後、その場で合否に係るスコアレポートが手交されます」。認定証は試験日の翌日以降にマイページからPDF形式で出力できます。

計算機を含む私物の持込みは認められず、計算問題は試験画面上の電卓を使います。事業再生コースは受験料11,000円と法令基準日4月1日の2点が異なり、それ以外は同じ書き方で案内されています。CBT検定全般の申込から結果までの流れはM&A資格の申込方法と結果通知にまとめています。

07

注意点・よくある失敗

  • 「承継」の語が共通するため、資産承継コースを事業承継の検定だと考えて予約する。資産承継コースの5分野に事業承継・M&Aの分野はありません。
  • 同じ2級だから合格すれば上位講座に進めると考え、資産承継コースを受ける。受講資格に挙がっているのは事業承継・M&Aエキスパートの認定だけです。
  • 社内で指定されている認定名称を確認せずにコースを選ぶ。3つの認定は別物です。
  • 3級から順に受けようとして資産承継・事業再生の3級を探す。CBT種目一覧で3級が設けられているのは事業承継・M&Aコースだけです。
  • 事業再生コースも7,700円だと思って社内の受験費用を申請する。この種目は11,000円で、法令基準日も4月1日です。
  • 片方のコースの問題集で、もう片方の分野を補えると考える。総合問題を除いて出題分野は一つも重なりません。
この記事の読み方

比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります

選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。

注意点

制度・料金・提供内容は更新されます

本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。

Long-tail questions

よくある質問

合格率はどちらも公式ページに記載がなく、数値では比べられません。受験料・試験時間・出題形式・合格基準(70点以上)はすべて同じです。違うのは分野で、M&Aの会計・法制に慣れていれば事業承継・M&Aコース、相続税・贈与税の計算に慣れていれば資産承継コースの方が取り組みやすい、という関係にとどまります。

Sources

一次資料・参考資料

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更新・訂正履歴

  1. 初回公開

    記載の数値・制度情報は2026-10-04時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。

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