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M&A資格比較

M&A資格の難易度を合格基準で比べる

結論を先に示し、根拠・比較・関連する疑問・一次資料の順に確認できます。

Answer first結論

先に結論

合格基準がいちばん高いのは金融業務2級の3種目で、100点満点で70点以上、四答択一式30問に総合問題10題が加わります。金融業務3級の2種目・事業承継アドバイザー3級・シニアエキスパート2種は60点以上、M&Aスペシャリストは60%以上です。ただし確認した公式ページに合格率の記載は一件もないため、順位は合格基準・出題形式・受験や受講の条件からしか読めません。講座受講型では、試験より受講資格と費用が先の関門になります。

Key takeaways

この記事の結論

  1. 01

    確認した公式ページに合格率の記載はない。数値で難易度を断定している比較は、出所を確かめてから読む。

  2. 02

    線が引かれるのは60点台と70点以上。金融業務3級の2種目が「100点満点で60点以上」、シニアエキスパート2種が「100点満点で60点以上の正解」、事業承継アドバイザー3級が「100点満点中60点以上」、M&Aスペシャリストが「60%以上の正解」で、金融業務2級の3種目だけが「100点満点で70点以上」。

  3. 03

    70点側は四答択一式30問に総合問題10題が加わる。択一だけで完結する60点側とは、求められる仕上がりが違う。

  4. 04

    合格基準が60点でも、シニアエキスパート2種は受講資格を満たし、受講料132,000円(税込)を払って養成スクールを修了した人だけが受けられる。関門は試験の手前にある。

  5. 05

    中小M&A資格試験は、検討会資料に「総得点の70〜80%程度の得点率を合格基準とする想定」と科目別の最低基準を設ける想定が示されている。いずれも想定であり、実施団体名・試験日・受験料は未公表。

01

合格率は、確認したどの公式ページにも載っていない

今回あらためて確認した公式ページは、金融財政事情研究会の種目別ガイド4種目、銀行業務検定試験のCBT受験者ポータル、KINZAI Webアカデミーのシニアエキスパート2講座、日本経営管理協会のM&Aスペシャリスト、日本M&Aアドバイザー協会の講座・入会案内、事業承継協会のサイトです。いずれにも合格率と受験者数の記載はありませんでした。

これは情報が古いのではなく、そもそも公表されていないということです。本記事は確認できなかった数値を推測で補っていません。以下は、公表されている合格基準・出題形式・受験や受講の条件だけで組み直した表です。

02

合格基準の線は60点台と70点以上で引かれている

資格・検定合格基準出題形式試験時間
金融業務3級 事業承継・M&Aコース100点満点で60点以上四答択一式50問100分
金融業務3級 事業性融資推進コース100点満点で60点以上四答択一式50問100分
事業承継アドバイザー3級100点満点中60点以上CBT四答択一式〈一部事例付〉50問(基本知識40問、技能・応用5事例10問)120分
金融業務2級 事業承継・M&Aコース100点満点で70点以上四答択一式30問、総合問題10題120分
金融業務2級 資産承継コース100点満点で70点以上四答択一式30問、総合問題10題120分
金融業務2級 事業再生コース100点満点で70点以上四答択一式30問、総合問題10題120分
事業承継シニアエキスパート100点満点で60点以上の正解四答択一式50問120分
M&Aシニアエキスパート100点満点で60点以上の正解四答択一式50問120分
M&Aスペシャリスト60%以上の正解一般知識問題、論述問題120分
JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)記載なし講座終了後の修了試験(形式の記載なし)記載なし
事業承継士60点以上(入会資格として提示。出所は後述)認定試験記載なし
中小M&A資格試験(正式名称未定・創設予定)総得点の70〜80%程度の得点率(想定)。各科目の合格最低点を設けることも想定(約50%程度)CBT・60問程度(想定)120分(想定)

線の高さだけを見れば、60点側と70点側の差は10点です(JMAA認定M&Aアドバイザーの修了試験だけは、形式も合格基準も公表されていません)。ただし実際の差は点数より出題形式に出ます。70点側の3種目はいずれも四答択一式30問に総合問題10題が加わる構成で、複数の論点をまたいで処理する設問が入ります。択一50問で完結する60点側とは、用語を覚えた段階からの距離が違います。「2級は3級より10点厳しい」ではなく、「3級は択一で完結し、2級は事例処理まで求められる」と読むほうが実態に近い整理です。種目ごとの詳しい設計は、金融業務3級 事業承継・M&Aコース、金融業務2級 事業承継・M&Aコース、金融業務2級 事業再生コース、金融業務2級 資産承継コース、金融業務3級 事業性融資推進コースの各記事で扱っています。

同じ60点でも、事業承継アドバイザー3級は試験時間が120分と長く、50問のうち10問が5事例に紐づく技能・応用として設定されています。択一50問を100分で解く金融業務3級の2種目とは、時間の使い方が変わります(事業承継アドバイザー3級)。

シニアエキスパート2種の合格基準は60点以上で、形式も四答択一式50問です。数字だけ見れば3級と同じ水準に見えますが、受けられるのは受講資格を満たし、養成スクールを修了した人だけです。M&Aシニアエキスパートは東京・大阪での3日間開催があり、Web講義版は決済完了日から13週間(91日間)の利用可能期間内に受講します。合格基準の低さを難易度の低さと読むと判断を誤ります(M&Aシニアエキスパート、事業承継シニアエキスパート)。

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03

受験までのハードルは、合格基準の手前にある

資格・検定運営者受験・受講の条件費用
金融業務3級 事業承継・M&Aコース金融財政事情研究会受験資格は特にありません受験手数料5,500円(税込)
金融業務3級 事業性融資推進コース金融財政事情研究会受験資格は特にありません受験手数料5,500円(税込)
事業承継アドバイザー3級銀行業務検定協会どなたでも受験可能受験料5,500円(10%消費税込)+事務手数料330円(10%消費税込)
金融業務2級 事業承継・M&Aコース金融財政事情研究会受験資格は特にありません受験手数料7,700円(税込)
金融業務2級 資産承継コース金融財政事情研究会受験資格は特にありません受験手数料7,700円(税込)
金融業務2級 事業再生コース金融財政事情研究会受験資格は特にありません受験手数料11,000円(税込)
事業承継シニアエキスパート金融財政事情研究会受講資格5項のいずれか(事業承継・M&Aエキスパート認定者、弁護士・税理士・公認会計士・司法書士・中小企業診断士、銀行・信用金庫・信用組合・証券会社・生命保険会社で法人営業経験1年以上ありかつ現在も在籍中ほか)受講料132,000円(10%消費税込。会員特別価格92,400円)+受験料11,000円(10%消費税込)
M&Aシニアエキスパート金融財政事情研究会受講資格6項のいずれか(事業承継・M&Aエキスパート認定者または事業承継シニアエキスパート認定者、弁護士・税理士・公認会計士・司法書士、銀行・信用金庫・信用組合・証券会社・生命保険会社で法人営業経験5年以上ありかつ現在も在籍中ほか)受講料132,000円(10%消費税込。会員特別価格92,400円、BATONZパートナー105,600円)+受験料11,000円(10%消費税込)
M&Aスペシャリスト日本経営管理協会受験資格の制限はありません検定試験11,000円(消費税込み)。資格の付与にはスペシャリスト会員への入会が必要で、入会費用は計38,000円(入会金5,000円+資格審査料11,000円+資格認定料22,000円。資格審査料はスペシャリスト会員の場合に検定試験料となる内数のため、別枠で足さない)。任意の資格取得支援講座77,000円を受ける場合の取得時費用は115,000円。年会費33,000円。入会費用・年会費のページに税の表記はありません
JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)日本M&Aアドバイザー協会M&A実務スキル養成講座の受講と修了試験の合格、正会員入会講座198,000円(税込・修了試験料込)+入会金33,000円+月額会費11,000円(いずれも税込。会費は入会時に一年分を一括前払い)。割引を見込まない初年度は363,000円
事業承継士事業承継協会国家資格などの専門スキル保有者が原則受講料330,000円+受験料9,900円+入会金11,000円。ほかに年会費11,000円(協会サイトの表記は入会金・年会費とも1万円・税別)
中小M&A資格試験(正式名称未定・創設予定)中小企業庁(民間の資格試験実施団体へ委託。毎期、公募により選定。団体名は未公表)未公表未公表

この表は受験資格の有無で2群に分かれます。金融業務3級・2級の5種目、事業承継アドバイザー3級、M&Aスペシャリストは誰でも申し込めて、受験料は5,500円から11,000円の範囲です。学習の負荷はあっても、入口で弾かれることはありません。一方、シニアエキスパート2種、事業承継士、JMAA認定M&Aアドバイザーは、先に「受けられる人かどうか」と講座の受講が問われます。金融機関の在籍者を対象にした項では、M&Aシニアエキスパートが法人営業経験5年以上、事業承継シニアエキスパートが1年以上で、いずれも現在も在籍中であることが条件です。同じ系列でも年数の設定が違います。

費用の桁も入口で変わります。検定型は1万円前後、講座や入会が前提の型は取得時だけで11万円台から36万円台まで開きます(M&Aスペシャリストの講座ルート115,000円、シニアエキスパート2種143,000円、事業承継士350,900円、JMAA認定M&Aアドバイザーの初年度363,000円)。難易度を「合格しにくさ」だけで測ると、この差が見えません。実務で使う資格を選ぶときは、合格基準の数字より先に、この表の3列目と4列目で候補が絞られます。上位段階まで含めた費用の全体像はM&A資格の費用で、資格の並び全体はM&A資格の一覧・全体マップで整理しています。

04

難易度を読み違えないためのチェックリスト

  • 合格率の数値を見たら、運営者の公式ページに同じ数値があるかを確認する。確認した範囲では、どの運営者も公表していない。
  • 合格基準は点数だけでなく、総合問題や論述が含まれるかまで見る。60点と70点の差より、形式の差のほうが対策に効く。
  • 試験時間と問題数をセットで見る。事業承継アドバイザー3級は50問で120分、金融業務3級の2種目は50問で100分と、1問あたりの時間が違う。
  • 受講資格の有無を先に確認する。受講資格を満たせない資格は、合格基準が何点でも候補から外れる。
  • 費用は受験料だけでなく、入会金・年会費・月会費・更新料まで足して比べる。JMAA認定M&Aアドバイザー、M&Aスペシャリスト、事業承継士はいずれも取得後に会費が続く設計で、事業承継士には3年ごとの更新料もある。
  • 上位段階に進む予定があるなら、その受講資格に自分の合格が乗るかを確認する。シニアエキスパート2種の受講資格の第1項に挙がっているのは、金融業務2級の合格で得られる事業承継・M&Aエキスパートの認定であって、3級の認定ではない。
05

中小M&A資格試験はこの表のどこに入るか

創設が予定されている中小M&A資格試験は、合格基準そのものが確定していません。中小企業庁が検討会に提出した資料には「総得点の70〜80%程度の得点率を合格基準とする想定」と、「各科目の合格最低点を設けることを想定」(各科目の基準は約50%程度)が記載されています。上の表に置くなら、金融業務2級の70点以上と同等かやや上で、しかも得意科目の貯金で苦手科目を埋める取り方が効かない位置です。

ただし、これらはすべて「想定」と明記された段階の数値です。実施の形は「民間の資格試験実施団体へ委託(毎期、公募により選定)」と記載されていますが、どの団体になるかは示されておらず、2026年7月21日付の資料でも試験日・受験料の記載は確認できませんでした。想定の内訳と学習設計への影響は中小M&A資格の難易度で扱っています。制度そのものの最新状況は本体サイトの試験情報で確認できます(当メディア運営者が提供するサービスです)。

06

注意点・よくある失敗

  • 合格基準の点数だけで並べ替えて、講座受講型を「簡単な資格」と誤読する。シニアエキスパート2種の60点は、受講資格を満たし養成スクールを修了した人だけが向き合う数字です。
  • 同じ「2級」「3級」という表記を、運営者をまたいで同じ水準だと思い込む。金融財政事情研究会の金融業務3級と、銀行業務検定協会の事業承継アドバイザー3級は別の主催者の別の試験です。
  • 配点の内訳が公表されていないのに、「総合問題を捨てて択一で70点」という取り方を前提に計画を立てる。金融業務2級の配点をめぐって何が言えて何が言えないかは金融業務2級 事業承継・M&Aコースで整理しています。
  • 想定として書かれている数値を、確定した条件として計画に組み込む。中小M&A資格試験の合格基準は「想定」と明記された段階で、受験料・試験日・委託先の団体名は確認した官公庁資料では未公表のままです。
この記事の読み方

比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります

選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。

注意点

制度・料金・提供内容は更新されます

本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。

Long-tail questions

よくある質問

合格率が公表されていないため、確定した順位は付けられません。公表条件だけで並べると、受験資格がなく択一50問で完結し合格基準が60点という最も入口の広い組み合わせは、金融業務3級の2種目と事業承継アドバイザー3級です。受験料はいずれも5,500円で、別途かかる事務手数料の条件だけが異なります。ただしこれは「入口が広い」という意味であって、学習量が最も少ないという意味ではありません。

Sources

一次資料・参考資料

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  1. 初回公開

    記載の数値・制度情報は2026-09-28時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。

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