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行政書士の事業承継資格。受講できる講座と費用

結論を先に示し、根拠・比較・関連する疑問・一次資料の順に確認できます。

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先に結論

行政書士が事業承継・M&Aの資格を取る道は3つです。受講対象に行政書士が明記された事業承継士(取得時350,900円)、受験資格の制限がない検定(金融業務2級なら7,700円)、そして2級合格を足がかりに進む金融財政事情研究会のシニアエキスパート講座(通しで150,700円)。同講座の士業ルートに行政書士は入っていません。5年間の維持費まで含めた費用表で比べてから、申し込み先を決めてください。

Key takeaways

この記事の結論

  1. 01

    行政書士が「士業であること」を理由に申し込める講座型の資格は、確認した範囲では事業承継士。事業承継協会の資格取得講座ページの受講対象一覧に「行政書士」が挙がっている。

  2. 02

    金融財政事情研究会の2つのシニアエキスパート講座は、士業ルートに行政書士を含まない。行政書士は、受験資格の制限がない金融業務2級に合格して得る認定者ルートで進むのが基本になる。

  3. 03

    費用は取得時だけでなく維持費で差が開く。5年間の維持費は、事業承継士が60,500円、JMAA認定M&Aアドバイザーは会費だけで660,000円の計算になる。金融財政事情研究会の検定と認定は、確認した公式ページに維持費の記載がない。

  4. 04

    事業承継士の講座は全30時間で、承継計画書の作り方や承継関連の補助金も扱う一方、科目名にM&Aを掲げた枠は1時間。第三者承継を厚くしたいなら別系統と組み合わせる前提になる。

  5. 05

    国の新しい中小M&A資格試験は受験者の想定に「士業等専門家」を含むが、受験資格・試験日・受験料は未公表。合格しても既存の独占業務の範囲は広がらないと検討会資料に明記されている。

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行政書士から見た3つの入口(最終確認日:2026-09-19)

行政書士が入れる扉で分けると、次の3つです。

入口該当する資格行政書士が申し込める根拠取得までの手順
① 士業として入る講座型事業承継士受講対象一覧に「行政書士」と明記全30時間の講座で75%以上出席→認定試験(60点以上で入会資格)→入会審査
② 誰でも受けられる検定金融業務2級・3級 事業承継・M&Aコース、事業承継アドバイザー3級、M&Aスペシャリスト受験資格の制限なし申込→受験→合格(M&Aスペシャリストは合格後に入会申請と資格審査)
③ 検定を足場にする講座型事業承継シニアエキスパート、M&Aシニアエキスパート士業ルートは不可。2級合格による認定者ルートで可2級合格→Web講義などを受講→認定試験

①と③の違いは、行政書士であることが入口で効くかどうかです。②は肩書きを問いませんが、上位講座の受講資格になるのは2級だけです。各資格の受験条件を一覧で確認したい場合はM&A資格の受験資格の比較を参照してください。

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02

総額で比べる:取得時と5年間の維持費

行政書士が申し込める主な資格を、取得時と5年間保有した場合の維持費で並べました。

資格取得時(税込)5年間の維持費計算の内訳
金融業務3級 事業承継・M&Aコース5,500円確認した公式ページに記載なし受験料のみ
事業承継アドバイザー3級5,830円確認した公式ページに記載なし受験料5,500円+事務手数料330円
金融業務2級 事業承継・M&Aコース7,700円確認した公式ページに記載なし受験料のみ
M&Aスペシャリスト38,000円(講座を受ければ+77,000円)165,000円年会費33,000円×5年
2級→事業承継シニアエキスパート150,700円確認した公式ページに記載なし2級7,700円+Web講義132,000円+受験料11,000円
2級→M&Aシニアエキスパート150,700円確認した公式ページに記載なし2級7,700円+受講料132,000円+受験料11,000円(一般区分)
事業承継士350,900円60,500円年会費11,000円×5年+3年目の更新料5,500円
JMAA認定M&Aアドバイザー231,000円660,000円講座198,000円+入会金33,000円。会費は月額11,000円で一年分を一括前払い

取得時と5年間の負担で順位が入れ替わります。事業承継士は取得時が最も高い一方、維持費は5年で60,500円です。JMAA認定M&Aアドバイザーは5年の累計(講座・入会金・会費)が割引なしで891,000円の計算ですが、会費には案件情報の共有や成約サポートなどの会員サービスが含まれます。

金融財政事情研究会の検定とシニアエキスパートは、確認した公式ページに更新料や会費の記載がありません。記載がないことは維持費ゼロと同じ意味ではないため、主催者へ確認してください。費用だけで資格を横に並べた整理はM&A資格の費用比較にもあります。

03

士業ルートの一覧に行政書士はあるか

講座型の3資格について、公式案内に挙がっている士業を並べると、行政書士の位置がはっきりします。

講座型の資格公式案内に挙がる士業行政書士行政書士が使える主な別ルート
事業承継士中小企業診断士・税理士・公認会計士・弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・土地家屋調査士・一級建築士・不動産鑑定士・ファイナンシャル・プランニング技能士など含まれる―
事業承継シニアエキスパート弁護士・税理士・公認会計士・司法書士・中小企業診断士含まれない2級合格の認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融機関・会計事務所等に1年以上在籍中
M&Aシニアエキスパート弁護士・税理士・公認会計士・司法書士含まれない2級合格の認定者、事業承継シニアエキスパート認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融機関・会計事務所等に5年以上在籍中、M&A支援機関協会会員役職員

行政書士がシニアエキスパートに進む場合、多くは2級の認定者ルートです。2級は7,700円・CBT通年・120分(四答択一式30問+総合問題10題)で、100点満点で70点以上が合格。合格で得る「事業承継・M&Aエキスパート」の認定が両シニアの受講資格になります。

ここで避けたいのが、受験料が安い3級から入って上位講座を目指すことです。金融業務3級の公式ガイドには、3級の合格(事業承継・M&Aベーシックの認定)は、M&Aシニアエキスパート養成スクールと事業承継シニアエキスパート養成スクールの「受講資格とはなりません」と書かれています。2級の出題分野は金融業務2級 事業承継・M&Aコースの記事で確認できます。2級に届く知識がすでにあるかを申し込み前に見ておきたい場合は、無料の20問診断が使えます(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。

04

事業承継士の30時間を行政書士の目で読む

行政書士にとって唯一「士業として」入れる講座型が事業承継士なので、何を学ぶ講座なのかを科目で確かめておきます。全30時間(全5日間)のうち、主な科目は次のとおりです。

時間数科目行政書士が確かめたい観点
6時間実践に基づくケーススタディ①~③親族内承継(製造業)と親族外承継(サービス業)の両方を事例で扱う
3.5時間ヒアリング・状況分析・課題発見・解決策の提示相談の受け方そのものに時間を割いている
2時間株式と経営権/財産権承継の中心にある株式の論点
2時間社長個人としての相続&争族防止経営者個人の相続の論点
2時間中小企業経営承継円滑化法の解説承継を支える制度の論点
1時間事業承継計画書の作り方と使い方計画を文書にまとめる実務
1時間借入と連帯保証人の考え方、事業承継関連の補助金資金と補助金の論点
1時間M&Aの判断基準を覚え、前裁きを学ぶ第三者承継に充てられた科目名上の枠

講座の重心は、相談を受けて課題を整理し、承継の計画にまとめるところにあります。一方、科目名にM&Aを掲げた枠は30時間のうち1時間で、第三者への譲渡を中心に支援したい場合は分量が足りません。

日程面では、2026年は11月東京教室コース(11月14日・15日・21日・22日・23日、講座申込み期限は11月6日)と、常時開催の完全ビデオコース(全5日間・受講期間4週間)が2026年9月19日の確認時点で申し込める状態でした。11月コースの早期割引の期限(9月14日)は過ぎており、完全ビデオコースには早割がありません。受験資格は講座で75%以上の出席、試験は選択/記述の混合方式で、60点以上が入会資格です。その後に入会審査があります。費用と日程の全体は事業承継士の費用と受講資格で詳しく扱っています。

05

相談の種類から逆算する判断表(最終確認日:2026-09-19)

行政書士の事務所に来る承継・M&Aの相談は、内容によって必要な知識が変わります。相談の種類ごとに、候補の資格・費用・条件を整理しました。

想定する相談候補の資格費用(税込)行政書士が満たすべき条件
後継者がいる会社から、承継の段取りと計画書づくりを相談される事業承継士取得時350,900円、維持費は年会費11,000円+3年ごとの更新料5,500円受講対象に該当。講座で75%以上の出席
承継の相談を受けたとき、論点を整理して適切な専門家につなぎたい金融業務2級 事業承継・M&Aコース7,700円なし
自社株・相続・事業承継税制が絡む相談を、税理士と同じ言葉で話したい2級→事業承継シニアエキスパート150,700円(一般区分)2級合格の認定者ルート
後継者のいない会社から、第三者への譲渡について聞かれる2級→M&Aシニアエキスパート150,700円(一般区分)2級合格の認定者ルート
金融機関の担当者と同じ検定で、承継の基礎を確かめたい事業承継アドバイザー3級5,830円なし
一般知識に加えて論述で自分の考えを書けるか試したいM&Aスペシャリスト38,000円(検定試験料を含む)+年会費33,000円なし(合格後に入会申請と資格審査)
国の新しい試験の公表に備えて基礎を固めたい中小M&A資格試験(創設予定)未公表(有償を想定)受験資格は未公表

3行目と4行目は同じ150,700円でも中身が違います。事業承継シニアエキスパートは親族内承継の税務、M&Aシニアエキスパートは第三者承継の実務・企業評価が中心です。相談が「後継者のいる会社」か「いない会社」かで選びます。詳しくは事業承継シニアエキスパートとM&Aシニアエキスパートの各記事をご覧ください。

06

業務範囲と制度の線引き

行政書士が押さえておきたい線引きは3つです。

1つ目は、資格と独占業務の関係です。中小企業庁の検討会(第4回)資料2は、新しい試験について「本資格試験の合格は、既存の業法に基づく独占業務の実施を可能とするものではない」と明記しています。同じ資料は、仲介・FA業務について「各士業の独占業務(弁護士法第72条、税理士法第52条等)に抵触しないことを前提とする」としています。M&A・事業承継の支援でも、ほかの士業の独占業務との線引きはそのまま残るということです。民間資格も含め、資格の取得で行政書士の業務範囲が広がるという公表情報は見当たりません。

2つ目は、国の指針の中での位置づけです。中小M&Aガイドライン(第3版)は、士業等専門家のうち公認会計士・税理士・中小企業診断士・弁護士に個別の節を設け、それとは別に「その他の士業等専門家」の節を置いています。行政書士は個別の節が置かれた4士業には含まれません。弁護士・司法書士の立場での整理は弁護士・司法書士とM&A資格にあります。

3つ目は、個人の資格と事務所の登録の違いです。M&A支援機関登録制度は機関(法人・個人事業主)を単位とする仕組みで、令和4年1月の制度概要では、対象はFA業務または仲介業務を行う者とされ、デューデリジェンスのみを行う士業等専門家は対象としないと書かれています。行政書士が資格を取っても、それだけで事務所が登録の対象になるわけではありません。

新しい国の試験は中小企業庁が運営主体で、初回となる令和8年度試験の実施事業(令和7年度補正の中小M&A資格試験実施事業)は株式会社銀行研修社への委託が2026年5月1日に公表されました。募集要領には「仲介者・FA等のM&A専門業者又は支援機関(金融機関、士業等専門家、M&Aプラットフォーム等)に所属する仲介・FA業務に関わる者、並びに今後中小M&Aの仲介・FA業務を行おうとする者を主な受験対象とする。」と書かれ、想定科目はM&A実務・財務・税務・法務・倫理・行動規範の4つです。2026年10月3日時点で、試験日・受験料・申込方法・正式名称・受験資格は公表されていません。既存資格による免除・優遇の記載も、確認できた公表資料には見当たりません。4科目のどこが弱いかは、無料の20問診断で確かめられます(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。社労士の立場で同じ問いを整理した社労士のM&A資格の選び方もあわせてご覧ください。

07

注意点・よくある失敗

  • 「士業向け」と書かれた講座なら行政書士も受けられると考える。シニアエキスパート2講座の士業ルートに行政書士は含まれていません。
  • 受験料の安い3級から始めて、そのまま上位講座に進めると考える。上位講座の受講資格になるのは2級合格で得る認定です。
  • 取得時の金額だけで比べる。会員制の資格は、5年保有すると維持費が取得時の費用を上回ることがあります。
  • 維持費の記載がない資格を「維持費ゼロ」と読む。確認した公式ページに記載がないだけで、ないと明記されているわけではありません。
  • 事業承継士をM&Aの資格だと思って申し込む。科目名にM&Aを掲げた枠は30時間のうち1時間です。
  • 資格を取れば支援できる業務が広がると考える。検討会資料は、新試験の合格が独占業務の実施を可能とするものではないと明記しています。
この記事の読み方

比較軸をそろえると、判断理由を説明しやすくなります

選ぶ前に条件を確認することで、料金や印象だけで結論を急ぐことを避けられます。

注意点

制度・料金・提供内容は更新されます

本記事の数値・制度情報は記載の確認日時点のものです。申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。

Long-tail questions

よくある質問

受講対象です。事業承継協会の資格取得講座ページは、受講対象に行政書士を含む国家資格などの専門スキル保有者を原則として挙げています。受験には講座で75%以上の出席が必要で、試験で60点以上を取ったあと入会審査を経て会員になります。

Sources

一次資料・参考資料

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  1. 初回公開

    記載の数値・制度情報は2026-09-19時点で一次資料・公式情報を確認したものです。更新・訂正時はこの履歴に日付と理由を記載します。

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