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M&Aスペシャリストの難易度は? 論述と合格基準で判断

先に結論

M&Aスペシャリスト(日本経営管理協会)の検定試験は受験資格の制限がなく、一般知識問題と論述問題を120分で解き、60%以上の正解で合格します。入口は広い一方、難しさは論述で書く力と、組織再編の法務・会計・税務まで及ぶ出題範囲に集まります。下の判断表と準備度チェックで、第38回(12月5日)に申し込んでよいかを確かめてください。

この記事の結論

  1. 01

    公式に示されている合格基準は「60%以上の正解」。受験資格の制限はなく、入口で弾かれる試験ではない。

  2. 02

    難しさの中心は形式と範囲にある。一般知識問題と論述問題の120分で、論述があるのは本記事で比べた検定・認定試験のなかでこの試験だけ。

  3. 03

    出題範囲の法務・会計・税務は、いずれも合併・会社分割などの組織再編に関する法令・会計基準・税法に絞られている。M&Aの一般知識だけでは届かない部分がここにある。

  4. 04

    配点・問題数・一般知識問題の解答形式は、確認した公式の資料に記載がない。「択一で稼いで論述を捨てる」計画は立てられない。

  5. 05

    合格率など公式の公表数値は本記事では扱わない。難易度は、試験形式・合格基準・受験資格・出題範囲の4点で判断する。

01

難しさを4つに分解する(最終確認日:2026-10-09)

「M&Aスペシャリストは難しいか」という問いには、試験の要素を分けて答えるのが近道です。公式の資格案内ページと出題範囲の資料に書かれていることだけで並べました。

要素公式の記載難しさへの効き方
受験資格「受験資格の制限はありません。」入口のハードルはない。実務経験がなくても申し込める
出題形式・時間「一般知識問題、論述問題 120分」。開始前に検定試験ガイダンス15分自分の言葉で書く設問がある。知っているだけでなく説明できるかが問われる
合格基準「60%以上の正解で合格となります」線は60%。ただし配点の内訳は公表されていない
出題範囲「M&A実務」「職業倫理」「法務」「会計」「税務」の5分野法務・会計・税務は組織再編に絞られ、専門性が高い
法令の基準「法令等は、特に指定した場合を除き試験当日から 4 か月前に施行されているものによる」古い版の本だけで準備すると、改正点を取りこぼす
開催形式「講座、検定試験ともにオンライン開催」会場へ移動する負担はない
結果「受験より1ヶ月以内に合否通知を郵送いたします。」その場で結果は出ない。次の手を考えるまでに時間がかかる

この表から言えるのは、「受けるのは簡単、受かるための準備は軽くない」という形の試験だということです。受験資格で人を絞らない代わりに、論述と専門的な出題範囲で力を測る設計になっています。

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11,000円の検定試験に申し込む前に、新しい国の試験が想定するM&A実務/財務・税務/法務/倫理・行動規範のどこが弱いかを確かめておくと、5分野のどこに時間を寄せるかを決める材料になります(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。

02

出題範囲の書き方から見える「レベル」

出題範囲の資料(「M&Aスペシャリスト試験問題範囲」)は、5分野それぞれの範囲を1〜2行で示しています。分野名だけでは分からない深さが、この書き方に表れています。

分野資料の記載(原文)読み取れること
M&A実務「M&Aの実務で一般に定着しているもの」範囲は広く、細目の指定はない
職業倫理「M&Aスペシャリスト職業倫理規定、その他一般に定着している職業倫理」協会の倫理規程が直接の範囲に入る
法務「会社法、同施行令及び関連施行規則のうち、合併、会社分割その他の組織再編成に関する法令等及びこれらの法令に関する特別法(たとえば労働承継法)」会社法全般ではなく、組織再編の条文が中心
会計「企業結合に関する会計基準」「事業分離等に関する会計基準」と、その適用指針簿記の一般知識より一段専門的な会計基準
税務「合併、会社分割その他の組織再編成に関する法人税法、所得税法、消費税法、租税特別措置法及び関連施行令、施行規則」組織再編税制が中心。税目をまたいで問われ得る

職業倫理の範囲に挙がる協会の倫理規程(公開されているPDFの題名は「M&Aスペシャリスト職業倫理規程」)は全11条で、「専門知識・能力の研鑽」「忠実義務」「適切な情報開示」「未公開重要情報の取り扱い」「顧客情報の保護」「利益相反の防止」などの条が並びます。条文の数は多くありませんが、論述で「なぜその行為が問題か」を書かせる素材になり得る内容です。

ここで難易度の見え方が変わります。M&Aの流れや用語を一通り知っている人でも、企業結合会計や組織再編税制を学んだことがなければ、会計と税務の2分野はほぼ初見になります。逆に、税理士・公認会計士として組織再編を扱ってきた人には、会計・税務が得点源になり、残る課題は論述の書き方と職業倫理です。同じ試験でも、どこから来たかで重さが大きく変わります。

03

他の資格と比べたときの位置(最終確認日:2026-10-09)

M&A・事業承継の主な検定・認定試験を、公表されている合格基準と形式で並べました(各資格の数値はM&A資格の難易度を合格基準で比べるで一次資料つきで整理したものです)。

資格・試験受験・受講の条件出題形式合格基準試験時間
金融業務3級 事業承継・M&Aコース受験資格は特にありません四答択一式50問100点満点で60点以上100分
事業承継アドバイザー3級どなたでも受験可能四答択一式〈一部事例付〉50問100点満点中60点以上120分
金融業務2級 事業承継・M&Aコース受験資格は特にありません四答択一式30問、総合問題10題100点満点で70点以上120分
M&Aシニアエキスパート受講資格6項のいずれか+養成スクールの受講四答択一式50問100点満点で60点以上の正解120分
M&Aスペシャリスト受験資格の制限なし一般知識問題、論述問題60%以上の正解120分
中小M&A資格試験(創設予定・想定)未公表CBT・最大60問程度総得点の70〜80%程度を想定し、科目別の最低基準50%程度を設ける想定120分

この表で見ると、M&Aスペシャリストは「入口は3級並みに広く、出題範囲に組織再編の会計基準・税法まで明記され、形式は表中で唯一の論述あり」という位置にあります(本記事の整理)。合格基準の60%だけを見て3級と同じ水準と読むのは誤りです。反対に、受講資格と講座の受講が前提のシニアエキスパートと比べると、入口の条件はずっと軽くなります。会員型で比べたい場合はJMAA認定M&AアドバイザーとM&Aスペシャリストの違いが参考になります。

04

今の自分は受けてよいか:立場別の判断表

難しさは人によって変わります。出題範囲と形式から、立場ごとの見立てを整理しました。

こんな人見立て先にやること
税理士・公認会計士で組織再編の実務がある会計・税務は得点源。論述と職業倫理が課題倫理規程の11条を読み、論述の時間配分を練習する
金融機関でM&A・事業承継の案件に関わっているM&A実務は土台がある。会計・税務の組織再編が課題企業結合会計と組織再編税制の基礎から入る
M&A仲介・FAの実務が数年ある実務と倫理は強い。条文・会計基準の正確さが課題法務の範囲(組織再編の会社法)を条文単位で確認する
M&Aの学習がこれから5分野すべてが初見。論述まで仕上げる時間が要る択一の検定(金融業務3級・2級)で土台を作ってからでも遅くない
書く試験が極端に苦手論述が残る限り、知識だけでは届きにくい読んだ章を200〜300字で要約する練習を先に始める
合格後に年会費を払い続ける予定がない試験に受かっても、資格の付与は入会と一体受験前に入会費用と年会費を確認する

向かないのは、「試験だけ受けて名乗りたい」「書く練習の時間が取れない」「組織再編の会計・税務に触れる気がない」という方です。どれか1つでも当てはまるなら、択一で完結する金融業務2級 事業承継・M&Aコースなど別の資格から入るほうが、時間とお金の使い方として無理がありません。

05

申し込む前の準備度チェックリスト

次の7項目のうち、自信を持って「はい」と言えるものを数えてください。

  • M&Aの流れ(案件化・マッチング・デューデリジェンス・最終契約・クロージング・PMI)を順に説明できる
  • 合併と会社分割の違いを、会社法の手続きの違いとして説明できる
  • 企業結合の会計処理について、会計基準の名前と考え方の骨格を言える
  • 組織再編で法人税・所得税・消費税のどこに論点が出るか、見当がつく
  • 利益相反や未公開の重要情報の扱いについて、なぜ問題になるかを理由つきで書ける
  • 120分のなかで、知識問題と論述に時間をどう割るかを決めている
  • 試験日(12月5日)から逆算して、申込締切(11月21日)までに準備の目途が立っている

「はい」が5つ以上なら、第38回を目標に組めます。3〜4つなら、弱い分野を絞って8週間で埋める計画が要ります。2つ以下なら、まず択一の検定で土台を作り、2027年度以降の回を目標にするほうが現実的です。

チェックで「いいえ」が付いた分野が、本当に弱いのか、知っているのに自信がないだけなのかで、残りの時間の使い方は変わります。申し込む前に、新しい国の試験が想定する4領域(M&A実務/財務・税務/法務/倫理・行動規範)のどこで点を落とすかを測っておくと、M&Aスペシャリストの5分野のどこに時間を寄せるかの当たりがつきます。無料の20問診断で確かめられます(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。JIMAの試験問題ではない点は、前提として押さえてください。

06

第38回までの日程を積み上げる(最終確認日:2026-10-09)

2026年度に残る検定試験は第38回だけです。公式ページの日付から、今日(10月9日)以降の段取りを並べました。

日付できごと公式の記載・根拠
11月13日(金)まで資格取得支援講座(任意)の申込締切講座開始の2週間前
11月21日(土)まで検定試験の申込締切「試験日の2週間前(※締切日を過ぎた場合はお電話ください)」
12月5日(土)13:00オリエンテーション、13:15〜15:15検定試験「2回目(第38回)12月5日(土)」
受験から1か月以内合否通知の郵送「受験より1ヶ月以内に合否通知を郵送いたします。」
合格後入会申請書の提出と資格審査委員会の審査を経て、認定書(兼会員証)資格の付与は入会と一体

今日から試験日までは約8週間、申込締切までは約6週間です。勉強時間の目安は公式に示されていないため、準備度チェックの結果から逆算してください。講座(任意)の日程と、参考図書6冊を使った週ごとの組み方はM&Aスペシャリストの過去問と参考図書で扱っているため、ここでは繰り返しません。週ごとの学習量の組み方は学習時間の計算ツールも使えます。

07

注意点・よくある失敗

  • 合格基準の60%だけを見て、金融業務3級と同じ難しさだと考える。形式に論述があり、範囲は組織再編の専門分野に及びます。
  • 配点が分からないまま、論述を捨てる前提で計画を立てる。配点・問題数は公式の資料に記載がありません。
  • 「法務=会社法全般」と考えて広く浅く読む。範囲の記載は合併・会社分割その他の組織再編に絞られています。
  • 出所の書かれていない合格率や「過去問」を根拠に難易度を判断する。
  • 合格すれば資格を名乗れると考える。入会申請と資格審査委員会の審査を経て、入会と同時に付与されます。
  • 申込締切を試験直前と思い込む。検定試験は試験日の2週間前が締切です。

よくある質問

受験資格の制限がないので入口は広い一方、論述問題があり、法務・会計・税務の範囲が組織再編に絞られているため、準備の負荷は軽くありません。どの分野から来たかで重さが変わります。組織再編の会計・税務が初見の方は、そこが最大の山になります。

公式ページの記載は「60%以上の正解で合格となります」です。一般知識問題と論述問題の配点の内訳や問題数は、確認した公式の資料に記載がありません。

合格率など公式の公表数値は、本記事では扱っていません。確認した資格案内ページにも記載はありません。難易度は、試験形式・合格基準・受験資格・出題範囲の4点が判断材料になります。

公式に勉強時間の目安は示されていません。本記事の準備度チェックで「いいえ」が付いた分野の数から逆算してください。5分野のうち初見の分野が多いほど、論述の練習時間まで含めて長めに見積もる必要があります。

入口は金融業務3級並みに広く、出題は組織再編の専門分野を含み、形式は論述ありという位置です。択一で完結する検定とは問われ方が違います。新しい国の試験の領域で今の力を測っておきたい場合は、無料の20問診断を使えます(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。

受けられます。公式ページに「受験資格の制限はありません。」と記載されています。ただし資格の付与には、合格後の入会申請と資格審査委員会の審査が必要です。入会申請書は職務経歴書を兼ねる書式です。

一次資料・参考資料

更新・訂正履歴

  1. 初回公開

    公開時に、記載の数値・制度情報を一次資料・公式情報で確認しました。

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